1460の夜を越えて、星のかけらが降り注ぐ

1460の夜を越えて、星のかけらが降り注ぐ。

掌に触れた光は翠緑の煌きを帯びていた。夜天に浮かぶ星の名を教えてくれた彼の人の色によく似ている。スピカの足元で白猫が鳴いた。東の空が白んでいる。じきにはじまりの鐘が鳴るだろう。青年はそっと木製の扉を開けた。

「おはようございます。……父さん」


2022/4/8

春告げの星

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