人が愚者の道を選ばぬように、竜は地上に鍵を放った
いにしえの記憶は守られなければならない。
他者の睛に触れぬよう、青い石の奥底に沈めて、封を施す。古代の記憶は争いの種だ。人が愚者の道を選ばぬように、竜は地上に鍵を放った。
「きれいな石だね」
「おまもりだよ。僕の代わりに、いつか、お前をまもってくれる」
「兄さん、どこかへ行ってしまうの」
2022/4/3
その星の名はクロリス
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