聖なる竜の加護をうしなった星は、亡びの日を待つだけとなる

蒼き月が砕ける夢をみた。聖なる竜の加護をうしなった星は、亡びの日を待つだけとなる。

「兄さん」

白い月が浮かぶ夜、兄は紅茶を淹れてくれた。悪夢は弟にも伝播する。

「こわいゆめをみたの」

「大丈夫。これを飲んで、おやすみ」

月が沈むカップに角砂糖が溶けていく。

「僕が、お前をまもってあげる」


2022/4/2

その星の名はクロリス

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