数百年だ。いい加減、待ちくたびれたよ
月のかけらが降ってくる。少年たちは青い小瓶の蓋をあけて、かけら拾いに奔走する。ある者は棺で眠る友の病を治すために。ある者は夜にとらわれた兄弟を目覚めさせるために。青白い光が春の湖を満たす。
「これは本当に薬なのか」
「君、先生を疑っているのか」
「数百年だ。いい加減、待ちくたびれたよ」
2022/3/25
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