僕は大丈夫だよ、と“弟”は寝台にもぐりこんだ

にがい薬を一匙。“弟”は珍しく不機嫌そうに眉を寄せた。

「……嫌だったか」

榛と黒曜石の視線がかちあう。

「それは、僕の薬じゃないよ」

「わがままを言うものじゃない。少しでも飲まないと」

「にいさんは何もわかっていないんだ」

僕は大丈夫だよ、と“弟”は寝台にもぐりこんだ。

「ちゃんと僕をみてよ」


2022/3/26

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