第二話 デート
あれから二時間後。
まあ、デートしてます。遊園地で。男二人で遊園地に来るのもどうかと思うんだが・・・。まあ、今の二葉には関係ないみたいだけど。
そう思いながら、クレープ店にウキウキで並んでいる二葉を見る。僕は休んでいていい、と言われたから近くにあったベンチに座っている。
「れの様、クレープ何にしますか?」
「・・・チョコバナナがいい」
「はい。わかりました。ちょっと待っててください。」
そして、女子の列に混じって、男一人で立ってくれる。こういうところだけを見ると、普通にかっこいい高校生なんだけどなぁ・・・。何故僕を目の前にすると、キモくなるのか・・・。
「ちょっと、そこのお兄ちゃんいいかな?」
と、二人のゴツい男二人が話しかけてきた。
「なんですか?」
「兄ちゃん、金持ってる身なりしてんだろ?金出せよ」
・・・何のイベントだよ・・・。普通、遊園地で男にカツアゲするやつがいるか?女ならまだしも・・・。
二葉の方を盗み見て、助けを求める。しかし、あいつはルンルン気分で鼻歌を歌ったっていて気づかない。お前、本当に僕の側近なのかよ・・・。流石に呆れてしまう。
「おい、聞いてんのか?」
ここで喧嘩したら面倒くさそうだし、絶対に出禁になる。よし、話し合いですまそう。
「えっと、すいません・・・今持ってなくて・・・」
「はあ?どう考えても持ってんだろうが。じゃなきゃそのバッグに何の意味があるんだよ。」
うぐっ・・・的確な指摘ありがとうございます。
でも本当に持ってないんだよなあ・・・。二葉に全部預けてるから。
よしっ!丸投げしちゃいましょう!
「あいつに持たせてます」
と、二葉を指さしながら言うと、二葉が僕に気づいて手を振ってくれた。僕も小さく振り返す。って言うより、この二人に気づかないのかな?
あ、気づいたみたいだ。あからさまに眉をひそめると、後ろにいた女性に話しかけ、こっちに大股で来た。
「あなた方、私の大切な方に何をされてるんでしょうか?お金の話ですか?むしろ、あなた方の方が私達にお金を取られる方だと思うんですが?私のかんちがいですかねぇ・・・。ああ、わかりました。住む場所がないんですか?それとも、働く場所が?それならいい場所を紹介してあげますよ。そういう体型を好む方多いので。全身筋肉痛と、下半身全体の違和感というオプションが付いてきますが・・・検討されますか?」
「ヒッ!」
こういうことを笑顔でサラッと言うの相変わらず憧れるわ。
まあ、結論から言うと、男二人は居なくなった。その代わりに「れの様は可愛いから狙われるんです。だから、僕と一緒に居ましょうね?」と、怖〜い笑顔付きで言われた。な・の・で、男二人でクレープ店に並んでいる。本当に恥ずかしくて仕方がない。
後ろの女子が腐女子なことは分かったから、黙ってくれないかなあ?今さっきから、
「あっちが受けだよ。」
「長髪攻めもいいっすね」
「うわああ!そっちも捨てがたい!」
とか色々聞こえてきて、心が落ち着かない・・・。
淬城家の悩み事〜れの様が側近の男の子と付き合いました!〜 炎猫幻 @enbyou
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