淬城家の悩み事〜れの様が側近の男の子と付き合いました!〜

炎猫幻

第一話 告白

この作品はお試しで書いております。

続かなくても許してください。

好評であれば続けます。






僕の名前は淬城さいじょうれの。ヤクザ一家にいる以外は、普通の高校二年生だ。

まず、皆は淬城家を知らないと思うから、紹介するね。淬城家は日本一とも言える、ヤクザ一家だ。まあ、ヤクザと言っても治安を悪くすることはなく、どちらかと言うと一つの会社って感じ。街中清掃活動したり、チンピラをやっつけたり、ふるさと納税だってしてる。そのおかげで、この街はそこらへんの街よりも治安は良いと思う。

強面の人が多いけれど、皆優しい人ばっかりだ。真面目に見える人でもちゃんと喧嘩慣れはしてる。喧嘩慣れは実際しちゃいけないんだと思うけれど。

そんな事言いだしたら切りがないかr「れの様!れの様!」


さっそく邪魔が入った。

僕は今一人で考え中なんだよ。話しかけてくるな。そういう意味を込めて睨むけど、このわんこには効かないみたいだ。


「れの様の考え事してる顔も、睨みつけてくる顔も可愛らしいです。」

「・・・」


怒る気も失せるとはこういうことか。未だになぜこいつが僕の側近をしているのかわからない。

僕をきらきらした顔で見つめてくるのは二葉ふたばだ。僕の側近をしている。


「れの様?」


ああ、もううるさいな!君の紹介をしているんだ!大事なことだから邪魔しないでくれ!

そう思って、二葉を見ようと顔をあげると、至近距離に二葉の顔があった。びっくりしてのけぞるけれど、今椅子に座っていることを忘れていた。背もたれに阻まれて、顔は未だに近いまま。

必死でのけぞってるのに、二葉の顔が近づいてくる。最悪。

チュッと可愛いらしい音とともに唇に温かい感触がする。


「れの様、僕はあなたのことが大好きです。付き合ってください」

「っ・・・」


ここ一週間ずっと二葉はこんな感じだ。正直言って鬱陶しい。誰がこの純粋野郎をこんな告白マシーンにしたのだろうか。見つけたら締めよう。


「れの様?」

「二葉」

「はい!れの様!」

「とりあえず落ち着こうか」

「落ち着いていられません!れの様が目の前にいるというだけで興奮してきます!」

「oh・・・」


誰がこいつの導火線に火をつけたのだろうか。こんなことを言われる日が来るとは思わなかった。たとえ大好きな二葉だとしても引いてしまう。

ぎゅっと手を握られる感覚に意識を現実に戻すと、二葉が僕の右手を取って、握りしめてきた。そして、口に近づけると、パカッと口を開いて・・・


「いやいやいやいやいや!!!待て!待て!」


それでも止まらない。


「二葉!すてい!すてい!」


ぬるりとした感触が手に伝わってきた。ブワッと鳥肌が立つ感覚がする。悪寒も一緒に走ってきた。

左手で、二葉の顔を押す。


「ふたば!本当に嫌!!やめて!」

「なんれれふか?」


きょとんとした顔で聞いてくる。ウ”ッ。罪悪感がすごい。その顔もやめてくれ!

いつの間にか舌は手首まで這ってきて・・・


「ふ、ふたばぁ・・・」

「!?すみません!すぐにやめます!すみません!泣かないでください!」

「・・・うん」


泣き落とし作戦はいいな。本当に泣いてた訳じゃない。うん。泣いてたわけじゃないからこれは作戦と言える。これはれっきとした作戦だ。

二葉は僕の頭を撫でながら、涙を優しく拭いてくれている。

ああ、れの様の泣き顔が見れるなんて。可愛かったな。もう一回見たいな。でも、もっとやったら怒られるだろうな。

なんて声は無視する。こんなこと男に耳元で言われてもキュンとかしない。


「で、二葉。何があって、急に告白してくるようになったの?最近まで何もなかったじゃん」

「ん〜。なんでかは分からないんですけど、れの様のこと見ると、胸がギューってなって、頭がぐるぐるしちゃうってことをいつきに話すと、恋だって言われました!すると、周りの皆が、れの様は押しに弱いので、行って来い!と言われたので今アタック中です。」

「う〜ん。でもなあ・・・」

「???どうかされましたか?」

「皆に言われたからじゃなくて、自分の意志で言ってほしかったかな・・・ぁ・・・と、お、お、思います。」


言ってる最中に二葉の目が変わって少し怖くなった。


「そうですか・・・俺から行動すればいいんですね・・・では!デートしましょう!」


は?


「は?」

「だめですか?お試しでもいいですから!」


捨てられた子犬のような目で見られても困る。どうすれば・・・


「さあ!行きましょう!このあとの予定は確認して、ちゃんとずらしておきました。」


こういうときだけは手が早い。ちょっと待とうよ。

二葉は僕の手を取って椅子から立たさせた。


「うぇっ!?ちょっ!」

「黙りましょうか。」


そう言われて、横抱きにされると、キスをしてきた。


「・・・!!!」

「ふふふっかわいいです」

「おまっ・・・!」


あの可愛いワンコは何処に行ったんだ〜!






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