21にゃ にゃんこ。食われる


「えへへへ……ミーニャ様か1匹。ミーニャ様が2匹。ミーニャ様が3匹。うへへへ。きゃわいい〜!!かわいいでちゅね♡うへへへ」


 頬が火照りながら、一人の女がベットで寝転がりながらわれと同じ毛並みの猫とじゃれている。


「お!こんな所にまだミーニャ様が!」

「…………何してるのにゃアネット」


「え!このミーニャ様は喋るんですか!?うふふふ♡い〜っぱい愛を伝え合いましょうね?」

「にゃ!?ちょっと待つにゃぁぁぁ!」


 なんでわれの体を抱っこするんだ!

 って。

 どこ触ってるんだにゃ!


「……え?何で動いて……」

「アネット!目を覚ますのにゃ!!われ、本物のミーニャだにゃ」


 来てやったぞ。

 この魔王たるわれが!(ドドン)


「?ミーニャ様はここに……あれ?ん?」

「アネット!」

「はっい」


 これは、仕方のない事。

 そう。

 おバカなアネットの目を覚ます方法はこれしかない………と思う。


「われのこと、好きにしていいにゃ……」

「……言われなくても!」

「ぐにゃゃゃ!!」


 その時、獣が一匹の猫を食い散らかした。



♡★♡★



「申し訳ございませんでした!」


 乱れた服を直すことをせずに、ベットの上で土下座をする女が一人。


「にゃふ……。もうわかったにゃ……。われ、お前が激しくしすぎて歩けないにゃ。早く抱っこするにゃ」


 われ、疲れた。いや本当に。


「はい!すいません。今すぐします。すいません」

「もう、われに謝ること禁止にゃ」

「いや、それだと……」

「うるさい!われが禁止って言ったら禁止にゃ!」


 なんか嫌!

 気持ち悪い!

 あのアネットが、気持ち悪い!


「はい……分かりました。それで、ミーニャ様はなぜ

ここに?」

「われもあそこに閉じ込められてたのにゃ。フィレ」

「はっはひぃ!」

 

 顔を真っ赤にした、ちびっこがベットの近くに立ち上がり返事をした。


 どうしたんだと言うんだ?

 なんで頬を赤くしてもじもじしてるんだ?

 ……にゃふふふ。


「紹介するにゃ。こいつはわれの新しい手下にゃ」

「そうですか……。手下……。ってそんな事よりミーニャ様、大丈夫でしたか?」

「んにゃ?」


 どうしたんだこいつ。

 なに言ってんだ?


「この前、この場所にミーニャ様の事を知りたいとか言う、見知らぬ女性が来たんです」

「…………それがどうしたのにゃ」

 

 本当にそれが何だと言うんだろうか。


「っあ。いいんです。何もなかったんでしたら……。

 でもその女、何か不自然だったんですよね。

 なんて言うか……こう……大事なところが欠けているような違和感。

 って言ったら分かりますかね?」


「そいつ、どんな女だったんだにゃ」

「う〜ん……それが思い出せないんですよね。確かにミーニャ様の話をしたって言う事は覚えているんですが……」

「もう、そんなの知らんにゃ!早くここから出るのにゃ」


 そうだ!

 何でこんな話し込んでるんだ。

 われは早くこんなところから出て、魔王城に帰るんだ!


「っち」


 慌ててアネットを見たが、あたりを見渡しているのでどうやら違うらしい。フィレはずっともじもじしてるし、舌打ち何てしそうにない。

 じゃあ誰だ……ここにわれ達以外誰も……。


「なんでここにあんたが居るのよ」


 

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猫なのに『勝手』に魔王にされました。魔王として堂々としないといけないけど、猫の前には数々の誘惑が!?!?もう本能のまま生きていこうと思います!! でずな @Dezuna

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