幸せの枠組み

青いバック

第1話 幸せの枠組み

 なになにした方が幸せになれる。こっちの道の方が幸せになれるよ。なんてうるさい言葉だ。耳にタコが出来ちまうよ。幸せの形なんて人それぞれなんだから、自分の幸せの枠組みに私をはめようとすんな。


 なんだ?自分がそれで生きてきて幸せになれたから、私もその道を辿れば幸せになれるともでも思ってんのか?幸せの形は人によって違うのに?それによって、私のやりたいことがやれなくても幸せだとお前は言えるのか?人に幸せを押し付けるのは、その人から幸せを奪う行為だ。幸せを願うのであれば、幸せを押し付けるな。そうすれば、勝手に幸せになるよ。それで失敗しても、何も言えないんだからお前はただ傍観しとけ。


「……窮屈だなあ」


 この家はその幸せを、他人に強要するクソみたいな場所だ。窮屈で仕方ない。やりたいことも満足に出来ずに、小言や出来ないなどと言われて自信を打ち消されそうになる。でも、私はめげずに戦っている。夢を他人が信じなくとも、私が信じてればそれはいつか叶うと信じているからだ。

 他人は私の全てを知らない。例えそれが親でもだ。全てを知らない人間が、全てを知った気になって何かを喋るのは癪だ。その人は自分の理想の私を語っているのだ。私ではない私を。


 そんな私はどこにも存在しない。するはずがない。だってそれは、私では無いのだから。その私を頭の中で幸せにして、優越感に浸ってて欲しい。

 幸せの枠組みは人それぞれなんだ。今夢を追いかけているのも、これが私の幸せの枠組みだからなのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸せの枠組み 青いバック @aoibakku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ