第五話 次回予告

「主、主! 愈々ですよ!」

「何が?」


「主人公補正、残るはあと一つ! イエエエエエ!!」

「うーん、作者の引き出しの少なさ!」


「という訳で次回は終幕への足かけ、最後の物語! 『現代ファンタジー』、『山草さん家のはらい者』へと参ります!

 しかも今回の補正は何と! ストリテラ全体に係る『伏線』を司るものみたいなんです……! 嗚呼っ、強欲魂がうずきますね! その規模の大きさにワクワクしてきました!」

「そんな大層なもの、盗めるかなぁ……しかも同名作品、どっかで見たことないか? そんな物語の補正を盗っちゃっても良いものなんだろうか?」

「何を今更! これまで数多くの試練を乗り越えてきたではありませんか! 時に悩み、時に苦しみ、時に読者の目に生かされながらここまで歩んできた。もう私達に怖いものなんてないんです!」

「そ、そうだけどさ」

「……? じゃあ何が不満なんですか?」

「不満とかじゃなくって」


「何か嫌な予感がするっていうか」


「……? 私より強い奴なんているんですか?」

「どうだかなぁ」

「――まあ、主の勘は大体外れますし、どうにかなりますよ! きっと!」

「酷っど!! え!? 主にそんな事言う!?」

「失礼な、未来の王は私だってずっと言ってるじゃないですかっ!」

「……そうだった。コイツ、そういう設定だった」

「それでは主。タイトルコールを」


「はいはい。――ってことで次回! 『ベネノと最後の主人公補正』! お楽しみに!!」


「……このタイトル格好良いね」

「何だか既視感ありますが、格好良いですね」


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――


「――っと」


「そうは問屋が卸さない。ストリテラの未来は俺が絶対に守り抜いてやるんだ」

「でも、そんなのどうやって。ここからの挽回は難しくないか?」

「そんなの言ってられない。あの補正に手を出されたらマジで終わる」

「まあ、そりゃあそうだけど……だが、もう四つ渡っちまったんだろ? それをどうやって取り返すんだよって話をしてるんだ」

「そこら辺はご心配なく。良い考えがある」

「何?」


「あっちが『シナリオブレイク』で来るんなら」


「こっちも『シナリオブレイク』で対抗してやるまでだ」


 お楽しみに。


(第五話 ベネノと最後の主人公補正 につづく)

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