親ココロ恋ゴコロ

@mahiro69

第1話

午後にも近い午前中の灰色な空

降り続く白い大きな雨粒

特徴のあるエンジン音が止まる

水色のカブ



誰が来たかはわかる

部屋のチャイムが鳴る

玄関のロックを外す

私...「合鍵かぁ」

彼...「なんか言った?」

ココロの内が思わず声に出てしまった



クリーム色のヘルメット

黒とグレーのスウェット

紺色のカッパは?着てない?

昨日外泊したのだろう



すぐさま濡れた服を玄関で全て脱がさせ

赤いバスタオルを渡した

親が子に言い放つ様な口調で

私...「お風呂入ってからにして!」

ハンガーに濡れた物を掛けながら

キレ気味な口調だ

彼は口数の少ない節目がちな歳相応ではない

子供っぽい話し方と振る舞いだ



彼...「寒い〜暖房つけて〜イイ?」

私...「つけなさいヨ!わかるでしょ!」

まるで母親と子供だ

21歳も離れていれば親子の様なものだ



彼...「何度も電話したし、メールもしたんだよ寝てたの?」

私...「ごめんごめん寝てた」

私...「なんで真っ直ぐ家帰えんないのよ!雨なんだし」

キレてる口調照れ隠しだ


全部行動がわかってて許してしまう

それでも甘やかしてしまう


  

親子ごっこで恋愛ごっこ

彼に甘えられてる時が

私自身の存在を確認出来た



彼...「眠ーい」

私...「はいはい おやすみのチュッ」







彼...「お髭痛いよー」


         おしまい

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