特別なイベントの思い出は強烈に記憶に残る。でも平穏な日常の積み重ねは、平穏だからこそ、後になって思い出しにくくなったりする。時間が経ってから、当たり前のようにそこにあった日常こそが大事なものだと、ようやく気付く…。けれど、ふとしたきっかけで、曖昧になった記憶の中から、あの頃の何気ない日々の出来事がぱっと出てくることもある。たとえ曖昧になっていても、思い出は間違いなくそこにある。