第5話「お婆ちゃんとお孫さん」
「きつね様たぬき様、おかげで大学に受かることが出来ました、ありがとうございます」
キャメル色のブレザーの女の子が神社の前で手を合わす。
「きつね様たぬき様、孫がたいへんお世話になりましたどうかお納めください」
いつもお揚げと天ぷらを持ってくるお婆ちゃんが今日もお皿にお揚げと天ぷらをのせて賽銭箱の前に置いた、お婆ちゃんは少し涙ぐみブレザーの女の子が「お婆ちゃん、お祈りしてくれてありがとう」とその背をさすっていました。
「合格したんだね、あの女の子」
赤いきつねは自分達がまつられた神社の屋根の上に座り、凛とした女性に化け神主の姿でそう言った。
「自分の力でね」
緑のたぬきはいい話が神主のコスプレのせいで台無しだとその膝の上で笑った。
小さな村の小さな神社に赤いきつねの神様と緑のたぬきの神様が住んでいました。そしてその神社には村の人々がお参りにやって来るのです、願いをかける者かけない者、願いがかなう者かなわない者、赤いきつねの神様と緑のたぬきの神様は人々を見守ります、大好きな人の子らが幸せに暮らせるように願いながら。
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