そばとうどん。
しかも、即席。
そこから発想できる物語の広がりは、一見、限られている。
それを裏切る日常のひとこまが、ここにこじんまりと、でも、華やかに記されている。
それは、どんな家族も待ちわびる年末間近のイベントでのできごと。
その暖かさが、意外にもカップ麺の赤と緑のコントラストで描かれている。
その意外さがいい。
その意外さが、リアルな温もりを感じさせてくれる。
どこかミスマッチなのに、でも、なるほどと納得させてくれる寛容さが、多分、家族なんだ。
そんな家族のやりとりを、しみじみと感じさせてくれるあったかい家族のイベントのものがたり。