第189話 法王勅令
みなさんこんにちは。僕の名前はレナルドと言います。
僕は<なごみ家>の人です。
ナゴミヤさんがネオデをやめたのは本当です。ナゴミヤさんがネオデをやめたことに、可哀そうとか酷いとかいう人がいっぱいいます。でもそれはちがいます。
ナゴミヤさんは可哀そうじゃないです。ナゴミヤさんは優しいんです。だからギルドを解散してネオデをやめたんです。可哀そうじゃありません。凄いんです。
僕にはもう一つ名前があります。それはレオンと言います。
ここにいる人はレオンのことを知っている人もいると思います。ギルドに入ったらゴールドをあげますと言ったってここで笑われていたのが僕です。
僕はレオンをやめてレナルドを作りました。レナルドでなごみ家にいれてもらいました。
おかしなことをしたんだって言うのはあの時はわからなかったけど、後でわかるようになりました。そしたら凄く恥ずかしくなって、怖くなって、ナゴミヤさんともう一人の人に話しました。
そしたらナゴミヤさんは別に迷惑かけたわけじゃないし、みんな色々恥ずかしい思い出持ってるから気にしなくていいと言ってくれました。ナゴミヤさんの失敗談も教えてくれたので僕は笑いました。
ナゴミヤさん以外もなごみ家の人はみんな変で優しい人ばっかりで楽しかったです。
でもそのあと、レオンのギルドにいた人がなごみ家に来て、僕をギルドから追い出そうとしました。ナゴミヤさんはその時も僕を助けてくれました。反対にその人を追い払ってくれました。
ナゴミヤさんに追い出された人は、怒ってナゴミヤさんを悪者にしようとしました。それでナゴミヤさんが悪いことをしたと書きました。たくさんの普通の人がそれを信じました。
だからナゴミヤさんはなごみ家を解散しました。
また僕たちを守ろうとしたからです。可哀そうだからじゃありません。ナゴミヤさんが優しくて凄いからです。
何でそれがわかんないんですか?
何でわかんないのに、ナゴミヤさんのこと知らないのに、ナゴミヤさんを悪者にしたり可哀そうって言ったりするんですか?
僕は恥ずかしいことをしたけど、でもそっちのほうがもっと恥ずかしいです。
僕はずっと、普通の人になりたかった。そしたら嫌な思いをしなくて済むと思ったからです。でももう思いません。あなた達が普通なら僕は普通になんてなりたくない。
だって絶対、絶対、あなた達より、なごみ家の僕の方が幸せです。
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