8.私が言うのも生意気ですが
軍隊において
そういう意味で、
「完全な
「それを……そのオペレーションシステムを、
「正確には、マンマシン・インターフェースの基礎技術を確立した、です」
「現在はインプラントや投薬の必要もなく、専用の複合コンソールとヘッドセットを装着するだけで、脳波と全身の筋肉の微弱電流で統合管理システムと相互通信、一名のオペレーターが小隊規模の機械兵力を集中運用することができます。司令官を含めて、全員が前線の状態を完全に共有・管理し、作戦行動に責任を負うことで、法的な問題をクリアすることができました」
「大量の無人機械が、人間を殺害する……おぞましい光景ですわね」
「そのような研究に、医学博士の夫が……秘密裏に、手を染めていたと……」
だが、そのナバルがなにを言うより早く、あざけるような声が割って入った。
「それは医者の
「人間に殺されるのと、機械に殺されるのとで、どっちが上等ってこともないでしょう。むしろノイローゼ爆発で無差別に乱射とか、興奮して無関係な女性をアレコレとか、そういう事故が減って、殺される方もありがたいかも知れませんよ」
「まあ、人員コストカットに浮かれて、
「
ナバルが、
「国際法と、法治国家の法が認めるなら、殺人だって正当な仕事の結果ですよ。犯罪者みたいにさげすむのは、差別でしょう。博士は、相手と同じ目線に立ったんです。コミュニケーションの基本じゃないですか」
「……っってー! だから、これは法律で罰せられるハラスメントですってば、もう!」
「教育的指導だ、馬鹿もん」
「理事長。この馬鹿に言わせれば医者の
「博士は医師です。医師なら誰でも、患者を救うために全力を尽くします。だからこそ、力及ばなかった患者に……その治療について、他の医師が後から
「博士が御自身か、
「
ナバルが、もう一つのセキュリティボックスから、大きな黒いアタッシュケースを取り出した。
「
「博士を含めて、当事者全員が
ナバルの言葉に、
理屈は通った。それだけだ。
一人きりで立ちすくむような
「こんなこと、私が言うのも生意気ですが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます