7.大丈夫だろう
廊下はよく清掃されていたが、かすかに
天井の照明は明るく、適切な
「あ、あ、あの……だだだ、大丈夫、なんでしょうか……これ……? このまま監禁されて、なんかの実験台にされたりとか……?」
「まあ、大丈夫だろう」
「こんな
ロス市警で
「んー、そりゃアメリカも、正義の味方ってわけじゃないけどさ。合理主義は徹底してるわよ。どんな必然でこうなってるのか、答え合わせが楽しみだわね!」
やがてナバルが、五人を会議室らしい部屋に招き入れた。
ロス市警の
ナバルと向かい合うように、テーブルの入口側に
「まずは、これを
ナバルがセキュリティボックスの片方から、分厚いファイルを一冊、取り出した。中にはまだ、たくさんのファイルがあるのが見えた。
ファイルには、大きさも
「二人の人間の
「……夫の文字です」
ファイルには国際郵便の封筒も
「二〇二二年、
脳機能と外部制御の相互通信によるシステム構築は、最終的な形こそ違っても、博士が発明した
そしてその技術が、アメリカの政府機関とつながった以上、これまで出ていなかった最後の機関の名前に結びつく。ナバルが、ファイルを閉じてセキュリティボックスに入れ直した。
「この研究施設の
ナバルが、淡々と説明を続けた。
二〇〇〇年代に入って、人工知能のディープラーニングによる適正化処理と機械工学の発展により、
人体と同程度の四肢と容積、重量、
すべての装甲戦闘車両、
第二次世界大戦以降、世界最強であり続けたアメリカ軍は、二〇七四年の今、無人の
少年少女が巨大ロボットを操縦して戦うアニメなど、まったく可愛いものだった。現実は、人間というもっとも育成コストが高く、世論が敏感に反応する消耗品を、軍需物資リストから
「
「法律でしょう」
ナバルの問いかけに、
それこそ最大限の皮肉だったが、ナバルは満足そうに
「そうです。機械はヒューマンエラーを起こしません。ミスの可能性は、人間の兵士より圧倒的に低いのです。それでも、万に一つの失敗が起きた時、責任を負う法的能力だけがありません」
戦争は、ルール無用の殺し合いではない。国際法と多くの条約で、
もちろん、ルールを無視して優位に立とうとする悪の国家もあるが、本来はすべての規定に従った場合に限って、民法の罪を
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