5.あり得るってわけですね
アシュリーと
「複数の政府機関が、非公式に行動なされている。そしてあなたには、全体状況を説明する権限がない。そういう理解でよろしいでしょうか?」
「おっしゃる通り。だからせめて、選択肢を提示するよ」
アシュリーが
「もう
今日だけで何度目かになるかわからない肩をすくめて、
「OK、それじゃあ決まりだね。明日の夕方くらいまで、このまま移動するよ。走行中に歩いたりベッドで寝るのは、超法規的措置で見逃すから、のんびりしてて。シアターセットに、レトロ・ジャパンアニメも入ってるよ」
「いただいた招待状の通り、フェスティバルの特設会場、ということですわね」
「おススメは、ミスター・トミノの劇場タイトルかな。テレビタイトルも完備してるけど、それだと時間が足りないしね」
「
「もちろん、と言いたいけれど……残念ながら、知る人ぞ知る幻の作品でね。映像ソフトが流通していないんだ。ぼくもファンクラブの会員として、
「ロス市警にも、ファンクラブの会員とやらが、いるんですかね」
********************
ほとんど夜通し走行しているようだったが、さすがアメリカンサイズのキャンピングカーだけあって、常設ベッドも展開式のソファベッドもゆったりとして、寝心地が良かった。
フリーザーの冷凍食品も、タンパク質と油の
「人のエゴは、宇宙を滅ぼすのね……」
「ユニバースって結局、なんだったんでしょう?」
劇場タイトルをみっちり観ていた昨日と違い、今日はテレビタイトルの第一話だけを、順に
航空機や戦闘車両からイメージしたのだろう、少年少女が操縦する巨大な人型ロボットが、空に陸に宇宙にと、
「幽霊というのも、
「あれは確か、記憶と
「はい。我々の記憶や思考、意識も無意識も、脳神経細胞を走る電気信号の組み合わせで成り立っています。そこに外部から照射した信号波で
「それじゃあ、まあ……つまり幽霊なんかは、脳神経のノイズってことですかね?」
「そうだ。
「そんなことを言い出したら、そこにあるモノも全部、存在を証明できませんけどね。五感だって最終的には、脳みそが信号処理した結果でしょう」
「哲学的なお話は別の機会に
「
「そうですわね……確かに、歴史上の
「まあ、日本の怪談だけが
「つまり、俺たちが
「映像で観た二十一歳の姿なら、あるいはな。適切な
「脳みそが記憶し続けて
「ノーシーボ効果だ。そんな
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