第7話 暁の空の下のユミィア・フェル・レイズ



 とうとう世界の果てまでやってきた。

 この世の全てを眺めて、貴方の姿を探し尽くした努力が報われる。


 世界の果てで貴方が待っていた。

 炎の壁を越えた先にあったのは、死んだ大地。


 存在しない世界の中だけど、貴方が私を待っていた。


 ああ、「会いたかった」。


 死んだ世界では太陽が空へ上っていた。

 私は今、暁の空に下にいる。


 振り返れば、炎の壁越しに世界の姿がみえる。

 かつていた世界は半壊していた。


 無数にあった国々は砕けて、人々は滅亡の危機に瀕していた。


 この世界は、もう持たないだろう。


 愛する人の腕に抱かれながら、私は一抹の後悔を胸に宿す。


 あの世界は私の一番にはなれなかったけれど、彼と出会う前の私にとっては大事な一番だった。


 だから、私は暁の光に手を伸ばして、小さな紙飛行機に折った。


 それをそっと、放つ。


 熱風にあおられながら弱々しく飛んでいく紙飛行機を、彼と見とどける。


 願わくばあの紙飛行機が第二の太陽になりますように。





 けれど、その時の私はしらない。

 世界は結局守られなかった。


 私の意思を継いだとある少女が見届けた世界は、どうにもならないハッピーエンドにまみれた、偽りの平和の世界だったからだ。


 彼女の名前はキャロンディール・フローレシア。

 私のように愛しい誰かのために戦った一人の少女。


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アーク・ライズS ユミィアの紙飛行機 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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