第6話 炎の壁を越えて



 会いたい。

 たとえ全てを捨ててでもあの人に合いたい。


 国を捨てても、家族を捨てても、責務を捨てても。


 たとえ世界の全てを敵に回したとしても。

 たとえ会う人すべてに石を投げられたとしても。


 プロミスリングの導きに従って走り続ける。


 見にまとった服は、最初とは大違いで今はボロボロ。

 地をかける足は、傷だらけで、血を流している。


 けれど、どれだけ汚れ痛みに苦しもうと止まる事はないだろう。


 全ては彼に再び会う為に。


 燃えまわる炎の中へ飛び込んだ。

 世界中を焼きつくそうとする真っ赤な炎は、熱くて正気ではいられない。


 けれど、そんな炎で私の中の決意を燃やしつくすことなどできやしない。


 手を伸ばし、炎の先に飛び込むべきあなたの姿を見つめながら、私は苛酷な世界の中を駆け抜ける。


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