第2話
濡れた黒髪をかきあげ、女が
首を
「まだ回復しきれてないわねぇ。身体のあちこちが痛むわぁ。うふふ……本当、引き千切るなんて。くっつけるのが大変だったわよ――まあ、やったのはワタシじゃないけど?」
蘇生魔法を使える程の魔力の持ち主。
マルクの件といい、目の前に再び現れたマルバノの女といい。
「自分の洞察力と推理力が、こんなにも嫌になるとは思わなかったわ」
「ネリ、さっきの魔力は君のものじゃ――」
「そこについてもまだ上手く説明出来ないの。あたしも混乱してて……原理がよくわからないのよ。コントロールが出来やしないし」
少年少女に
ヒヤリとする廊下に散乱した硝子の破片が音を立てる。手を下へつかないよう注意を払い彼と共に体勢を直すと、ふたりは女へ目線をやった。
「首の根元……無理やり結合したみたいだ」
「賢者の石の魔力によって無理やり蜘蛛から出されたせいね。強がってはいるけれど、完全に再生されたわけじゃなさそう。恐らく、今はあそこが弱点でしょうね」
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