死刑囚 完
そういう俺も、死んでから魂なんてものが、本当にあるんだって驚いたけどな。
でも考えてみりゃこの方が
こんな俺にも、少しだけ罪悪感はあったんだ。〝こりゃ死んだら地獄行きかも〟ってな。でも、地獄どころかバチなんて一切あたらない。
こういうことなら、
今の
今の俺はどんな女にもついて行ける。でもな、俺にとって肝心なのは、
はぁー、こりゃ
いやぁー、それでな、目を付けたのが、女の腹の中にいる赤ん坊だ。俺の力でも、赤ん坊くらいは殺せるんだぜ。あんな小さな命でも
ただ普通に殺しても面白く無くなって、殺した赤ん坊の魂を食うようになってから、どのくらいになるだろうな?
食ってみると、こんなに旨いものはない。それに不思議と生の実感が湧いてくる。
ここ最近じゃぁ、死んでから触れなかったものを、触れるようになってきた。姿を見せて怖がらせることも出来るようになった。ちょっと力を使うがな。
多分、もう2.3匹も食えば。普通の大人だろうと殺せるくらいになるだろうよ。そんな予感がするぜ。
そしたらよう、一番に、あの鼻に着く女教師を殺ろうと思ってる。何度の何度も、めげずに
あの世に行く前に、死んだガキたちの魂をちらつかせれば、逆にあっちから俺に
多分、殺しても死なねーから、毎晩楽しめそうだぜ。その次は…、どいつにするかなぁー。ハーレムだぜ、畜生。
さて、あの女がいない深夜の教室なんて用事が無いな…。あれ、どういうことだ?体が壁にぶつかっちまうぞ?
俺は、教室の壁や床をすり抜けようとした。しかし、いつもやってることのはずなのに、それができない。空中に浮くこともでかなかった。
何なんだ?どうしちまったんだ?まるで、生きてる時と変わりねーじゃねーか。…仕方ねーなー。
教室の入口の扉を手で開けようとする。しかし、接着剤でしっかりと固定したようにびくともしなかった。窓も同じだ。
一体何が起こってるんだ?確か、あの女で、また遊んでやろうと思って教室に入ったんだ。そしたら、あん時の、生意気な小僧がいたのを見て…それから……。
しばらく、今日起きたことを思い出してみる。不意に、
〝カラカラッ〟
と、さっきまで微動だにしなかった教室の入口が少しだけ開く。向こう側に誰かが立っている。夜の教室というのは案外真っ暗で何も見えない。
幽霊である俺の目にも、扉の向こうにある人影が不気味に映るだけだった。
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