怪現象が起る家 ー霊視依頼ー
しばらくして、泣きはらした子供のように顔を赤くした先輩は、
「
思いもしない申し出だった。
「先輩の家をですか?」
「そう、
少し考えた。本当にたまたま見えただけなのだ。面倒とかそういうことではない。先輩のためなら喜んで力を貸したかった。ただ、先輩の期待に応えるだけの結果が出せるか、自信がないのだ。
「行っても何も分からないかもしれないですよ。凄い力がある訳じゃないですし…」
「何も分からなくても仕方ないと思う。それでもいいの……。でも
「本当にたまたまなんですけど……それでいいなら……」
「いいよ、見てくれるだけでも嬉しい。ありがとう。」
さっきまで泣きじゃくっていた先輩に、いつもの笑顔が戻って、俺はほっとした。
「じゃぁ明日はどう?日曜日だけど予定あるかな?」
急な話だったが特に予定は無い。翌日の日曜日、午前9時に
「これから学校に用事があるから」とコンビニをあとにする。
不謹慎かもしれないが、その経緯がどうであれ、先輩の自宅に行けることに、俺の胸は高鳴った。
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