第7話

「お疲れ様。モモゾノ確保が最初なんて凄いね」

 機関に帰ると、真っ先に同期の北条敦史が出迎えてくれた。海斗とは従兄弟同士になる存在だ。

「そちらこそ、疲れただろう」

「うん、まぁ少しは。でもモモゾノが動きを停止してから、殺戮兵器も全部動かなくなって……今は一息つけるかな」

 モモゾノが放った兵器は、海上自衛隊と機関が合同で回収にあたっている。

「そうか」

「うん。モモゾノって保管室に入れるんだよね?ついてくよ」

「モモゾノが気になるだけだろう、お前は……」

海斗がため息をつくも、敦史は何も気にしていなかった。


 保管室には、様々なものが保管されている。千年生きたという女性の髪。他にもオカルティックな品々が並んでいる。海斗は正直、この空間が好きではなかった。それは桃虎も同様で、「私外で待ってるから」と入室を拒んだほどである。モモゾノは新設スペースに安置された。動く心配はないが、しばらくの間は厳重警戒であろう。


 機関というのは、莫大な予算と設備を兼ね備えている組織だ。研究員がモモゾノによって数名失われても、大した痛手にはならない程度には。表向きはただの研究所だが、実態は人造人間を作っていたりと穏やかではない。海斗はそれを承知の上で(全員承知だろうが)この機関に入った。モモゾノの様な脅威から、人々を守る為に。


 突如、海斗の携帯電話がぶるりと震えた。画面を見ると、優莉からの着信であった。

「もしもし、優莉か?」

 海斗はやっと穏やかな笑みを浮かべ、電話を始めた。


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モモゾノ 景文日向 @naru39398

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