2-9 The Ordinary can‘t says the Normal



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 両手で頭を押さえて麗焔は悔しそうに、いった。

「あいやーっ、やりすぎ、かな?? ホノカ?なんか言ってよ!」

「君ら、ナニしてくれはんのや?」

「まっ、涼窩サン‼︎これにはきっと事情が・・・・・」

ブチ切れた涼窩を内郷はとっさに抑えた。 


  落ち着きを取り戻した涼窩が、背後で炎華と涼窩がモメて、バトるのを期待していた宮古と怨那が露骨に残そうにしているのを他所に、いった。

「事情って、なんやねん? はよ言うてみぃー」

「また涼窩(あんた)、あの内郷クンの巨大なのぶつける気ぃだったでしょに」

「・・・・・・・・・・・・」

「アレやったら、その先に居るシャルやソフィー達や、前線の先輩たちも吹っ飛ばしてるよお」

「ええやんか。ソフィーぐらい吹っ飛ばしても。それよりアレじゃ通れへんし、まだ流れてるやんっ」

涼窩は一瞬で水と水分を気化させられて土砂は溶かされて黒ずんだスライムのようになった巨大な土石流のなれの果てを指差して、いった。

 言葉途中、突き刺すような冷たい突風が吹いた。そして、指差した方向の景色がみる変わっていった。黒ずんだ潰れたスライムは青灰色に変わり、細かい竜巻が無数沸き出して、粒子を霧散させた、遥か遠くまで見通せそうなスロープが出来上がった。


 


   その様相に炎華は呟いた。

「想像以上でねえがぁ・・・・・・」

、そりゃそうよぉ! シャルや紫音、カグラに、ルイも協力してのぉ、アレっでしょぉ

怨那は炎華の驚き様に少し不満なのか、すこし突っ掛かる感じだ。

 其処に宮古が素っ頓狂な声を上げて、いった。

「えっ!? 誰々?!」「井川さんのコトじゃないかな。いまのF組(うちのクラス)で風系の能力(ちから)を使えるのは彼女ぐらいでしょ」

平然と宮古の疑問に答えて、語り出す内郷に対して、苦笑いや驚いた顔を向けていた。

『そーいうコトには気がつくんかいっ!!』

  炎華なんて、さっき以上に驚いてる感じだ。

 そこに、聖南が自分だけ関係ないわとばかりに一言。

「引くわぁー」




 内郷は思っていた。

 コントロールできれば、軽くあの程度は出来るソフィーのいたA組、土石流を止めた五城目麗焔のいたB組、山体崩壊させた能代地佳のいたC組、炎華や宮古大地らを早々に追い出したD組、そして、巨大魔法陣を描けてしまう三種涼窩のいたE組。それから見れば、F組って、普通かも。。。。








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   努力と根性だけじゃなんともならない /未都希茶碗 @MikiW

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