2-8 Friends or Forces?
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内郷や炎華たちの目の前で映っていた暗雲と無数の雷光の下でまるで生きているかの如く脈打つ岩肌を露骨に見せていた険しい山々の光景が一瞬で消えた。その後には、 さらに向こうの山々まで突き抜そうな蒼天の空が広がり、その下には吹き切れないであろうというぐらいの土煙と轟音。轟音?土石流!!
ドンっと内郷は涼窩に背中を押された。
「ヒロくんっ!ほらっ!!」
「やっ.。ややっ、やめてくださいよー」
とっさ前に突き出された内郷は慌てたように、全面否定するかのように、両手でイヤイヤをする様に、手を振った、
涼窩がそんな内郷を横目に、いった。
「ほんのチョットだけ時間稼いでや! うちとヒロくんの共同作業の準備、すぐにしはるから!!」
「ちょっ! ドサクサに紛れて、あたしのウッチーを口説いてんのよぉ!」
「怨那・・・。お前のモノでもないけどな」
「ほらっ!見てみぃーな! ヒロくんはウチに一筋なんよ」
「ナニを言ってんだ!二人共!! オレが居るのに、入る余地があるわけないって!」
「あー、宮古クン。仲間に入りたいからって、面倒くさい話にしないよーに!(それも、炎華さんの居る目の前で!)。
「そぉーだ、そぉーだ!ばかだいちぃー!(もっと誤解されて、愛想つかれるよーにしろぉ〜!)」
「バカだいち言うなー(ひろゆきの本命が炎華ちゃんなのはオレでも知っているが・・・・・)」
「いろんな愛があってもいいんとちゃう?(最後に残るんはウチやけどな)」
突然のように聖南の笑い声に5人は気がついた。それまでも聖南に笑われていたのだが、目の前の相手をなんとかするので手一杯で気付けなかったのである。
「ひゃはははっ。ホントに仲良いんだな。怨那からよく話に聞かされてたけんど、こりゃ・・・・・・、ぷっ。くひゃひゃはっ 」
内郷が怨那の身体をヒジで突いた。
「やあんっ。ウッチーったらぁ」
『いったい、何をどう話してたんですか?!」
「ウッチーがナニを象にして激しいの!とかぁー・・・・・・って、ウソです」
そんな2人を聖南は遠い目で見ながらも。口調と表情がかわる。
「そんなコトより早くしないとl
高い断崖に挟まれた谷向こうかの土気が大きくなってきた。
「せやった 」
あわてて涼窩が急いで魔法陣のようなモノを地面に浮かばせる。
それより早くに、土煙の手前の天空に半筒状のなにかが浮かんでいた。そして、お好み焼きをフライ返しで潰すようにソレは振り降ろされ、両脇の断崖を削りながら、土煙を圧し潰し、蒸散した。さらに、その後方から怒涛のように迫る土石流は、水分を一瞬で蒸発させらっれ、細かい粒子は昇華させられ、勢いを失った岩石は赤く爛れて、スライムのようにゆっくりと動いてた。
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