2-7 The other party belongs to F





                7

-ーーーもう一方のF組1年の班は、先ほど内郷たちが目をやった山岳地帯にいた。雷雨と共に崖が崩れる。その中に、背中に重そうなリュックを背負い、カラフルな色々なポンチョに身を包ませてびしょ濡れになって行軍していた。

「もうイヤぁ〜!」

 ピンク色のポンチョをまとっている一団の一人がしゃがみこんで、叫んだ。怨那やセナと連んで居るシャルロットだ。

「ほーぢゃのォ」

 渡に舟、とばかりに平川ルイが同意する声を上げた。そして、いつの間にか壁に人が一人こ腰を下ろして雨をしのげる空間を作って、そこに入り込み、寝始めた。着ていたイエローのポンチョは自分の姿を隠すよう;に出入り口に掛け。

 その二人の様相に振り返った爽風は声を失った。代わりに、ガタイの良い銀髪のオールバックの男が怒鳴った。

「おっ、おまえら!ナニしとんぢゃ?!コラぁ!」

「ナニしとんじゃねぇよ!ソフィーのケツ持ち野郎がっ」

「ナニか言いましたかねぇ!?」

「この悪天候はそいつ(ソフィー)のせいじゃねーか!山道をお踏破すると言い出したのもそいつだ!!」

『だから、こうやって・・・・・・!!」


 一触即発の二人の空気に更に天候は荒れていく。そこにカグラの声が割って入ってきた。

「そろそろウチらもハイキングも飽きてきたし、なによりも疲れた!もうヤメてもええよな?!」

 カグラの視線が捉えた爽風は、その言葉にただうなづくしかできなかった。


 後方にカグラは視線を向けた。

「紫音っ!」

「いつでもOKです」

紫色のポンチョ姿の下に巫女のような和装を覗かせる紫音が御幣を構えた。

「地佳チャンっ」

「ホントにいいのね?」

赤いポンチョを着ていた小柄な地佳の身体からナニか圧倒されるような力を感じた瞬間、地佳のまとっているポンチョが朱色に変わり、オレンジ色になった。光景だけなら、さすが元C組エース。手首にはカグラの布紐が金色に光っていた


「  え い っ  」



 なんとも気の抜けた声に聞こえるような声で、さっきまで平川

ルイのいた空間を押すように、地佳の黄金に輝く大きな掌が降り掛かる。


 豪音と共に山々が崩れた。蒼天の空の下。




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