中学生の主人公が突然あらわれた子供と赤ちゃんのママになるという設定は、すごくユニークで冒頭から惹きこまれた。
物語の中盤までは子育てという要素を上手く活かした恋愛模様が描かれていって、キャラクター同士のやり取りに思わずニヤニヤしてしまう。
恋愛ジャンルの児童書は数あれど、子育て要素を追加するだけでこうも独自性のある作風になるのかと感心した。
加えて、SFっぽい要素もあって他にはない魅力がある。
しかし、後半からはかなり予想外な急展開がやってきて雰囲気がグッと変わる。割とシリアス寄りで、特に最終話付近は重みのあるメッセージ性を強く感じた。
角川つばさ文庫小説賞の最終選考まで進まれているので、クオリティは保証済み。
児童書の恋愛ジャンルが好きな人には刺さること間違いなしです!