✤ 15 ✤ イケメンとお裁縫


「いいよ」


 そして、A組にいけば、アランくんは、あっさりOKしてくれた。


「いいの!?」


「うん、恋ヶ崎さんと彩芽のお願いなら、喜んで聞くよ。ハヤトも手伝えるよね?」


「うん。大丈夫だけど」


 アランくんが、前の席に座っている威世くんに聞けば、威世君も快く引き受けてくれた。


 威世いせ 颯斗はやとくんは、前にも話したけど、アラン君と彩芽ちゃんのお友達。


 赤毛の髪をした、爽やかなイケメンくんで、私よりも頭一つ分くらい身長が高い。


 しかも、運動神経バツグン。特にサッカーが得意みたいで、将来は、Jリーガーになれるんじゃないかってくらい期待されてる。


 でも、本人は全く興味がないみたい。


 だって、威世くんが好きなものも、アラン君と同じ、お裁縫だから。


 つまり、二人は同じ趣味をもつ同士ってわけ。

 そりゃ、仲がいいはずだよね?


 でも、まさか、このイケメン二人の趣味が、お裁縫だなんて、人は見かけによらないよね?


「作るなら、早い方がいいよな?」


「うんん。無理にお願いしてるんだもの。二人のペースで大丈夫!」


 威世くんが話しかけてきて、私は緊張しつつ言葉を返した。


 リメイクって、どのくらい時間がかかるのかな?

 私には、よくわからないけど、二人がわざわざ作ってくれるっていうんだもの、もう嬉しくて仕方ないよ。


「本当にありがとう! すごく助かる!」


「うんん。僕達こそ、頼りにされて嬉しいよ。そうだ、恋ヶ崎さん、日曜はあいてる?」


「え? 日曜?」


「うん。よかったら、僕の家に来ない?」


「え!?」


 そのアランくんの言葉には、思わず耳を疑った。


 うちのカフェの定休日は、だいたい日曜と水曜日。だから、日曜日なら、ミアちゃんとリュートくんを、お父さんに任せることもできるけど……


「ア、アラン君の家に?」


「うん。恋ヶ崎さんの好みに合わせた服も作ってあげたいし、僕の屋敷に集まって、みんなでできればなって。もちろん、嫌じゃなければだけど」


「い、嫌だなんて、とんでもない! それに、日曜日なら、大丈夫だとおもう」


「そっか。じゃぁ、日曜の10時に僕の家に集まろう。颯斗と彩芽もこれるよね?」


「うん、私は大丈夫だよ!」


「俺も」


「じゃぁ、決まり。恋ヶ崎さん、子供たちの服のサイズを教えてくれる? 日曜までに、型紙やマネキンを揃えておくから」


「う、うん、わかった」


 て、マネキン!?

 マネキンって、あのマネキンだよね!?

 そんなに本格的な感じなの!?


 でも、それ以上に驚いたのは──


(ど、どうしよう……! 私、アラン君の家に、お呼ばれしちゃった……っ)


 

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