✤ 5 ✤ バレちゃった!?
「アリサちゃん、おはよう!」
「おはよう、
その後、アラン君と話しながら中学校につくと、ちょうど生徒玄関で、彩芽ちゃんと出くわした。
「アラン君も、おはよう」
「おはよう、彩芽」
「二人で来たの?」
「うん。屋敷をでたら、ちょうど恋ヶ崎さんに会ったんだ!」
アラン君が、私と一緒に来た理由を話せば、彩芽ちゃんは『そうなんだ』と、靴を履きかえながら上品に笑った。
私のふわふわなくせっ毛とは真逆のサラサラのストレートヘア。しかも、まつ毛が長くて、目もぱっちりしてて、色白。
でも、
アラン君とは、小学校が同じで、アラン君の親友である
話に聞けば、彩芽ちゃんは、小学4年生の時に桜川小に転校してきて、アラン君は、6年生の時に転校してきたんだって。
だから、付き合い自体は、一年くらいのものなのに、その三人は、まるで子供の頃から一緒にいるんじゃないかってくらい仲良しなの。
そして、その関係は、ちょっと羨ましいなと思ったり……
「アランくーん! やっと来たー!」
「待ってたんだよー」
すると、ちょうど話がとぎれたタイミングで、女子が群れをなしてやってきた。数人の女子たちは、すぐにアラン君を取り囲んで、キャーキャーと話し始める。
(相変わらず、すごい人気だなぁ……)
学校に来れば、いつもこんな感じ。
アラン君の周りには、自然と人が集まってくる。
でも、そうなっちゃうのも仕方ない。
だって、アラン君はカッコイイ上に優しいし、まさに絵に描きたような王子様だもの!
きっと、私以外にも、アラン君のことを好きな女の子は、たくさんいるんだろうなぁ。
「じゃぁね、恋ヶ崎さん。今日は、一緒に登校できて楽しかったよ」
「え!?」
いきなりアラン君が話しかけてきて、ドキッとした。
ちょ、ちょっと待って!
いきなり、そんなこと言われたら……!
「っ……わ、私も……楽しかったです……っ」
必死に押さえ込んでいた心臓のドキドキが、また大きくなった気がした。
頬だって熱くなるし、きっと顔は真っ赤。
女子たちが、アラン君を連れて行ってくれなかったら、この顔、見られちゃってたかも?
「ねぇ、アリサちゃん」
「ん、なに?」
すると、今度は、彩芽ちゃんが話しかけてきた。
彩芽ちゃんは、私の顔をじっとみつめると
「もしかして、アラン君のことが好きなの?」
「え!?」
うそ! バレちゃった!?
「あ、ああああっ、あの、それは……!」
「アリサちゃん、顔真っ赤」
「ひゃぁぁぁぁああああ!」
恥ずかしさでいっぱいになって、私は、顔を隠しながら、しゃがみ込んだ。すると、彩芽ちゃんは
「やっぱり、好きなんだ」
「う、うん……でも、なんでわかったの?」
「だって、アリサちゃん、アラン君の前では、急に挙動不審になっちゃうし。それに、よくアラン君のこと見てるでしょ?」
「っ……」
お友達になってから、毎日のように一緒にいるからか、彩芽ちゃんには、バレバレだったみたい。
「そ、そっか。そうだよね……私、すぐ顔にでちゃうし……でも、このことは、誰にも言わないで!」
「うん。もちろん、言わないよ。でも、そっか……アリサちゃんは……アラン君のことが好きなんだ」
だけど、その瞬間、彩芽ちゃんが複雑な表情を浮かべた。何だか思いつめてるような、少し困った表情……
「彩芽ちゃん?」
「あ、うんん。それより、私たちも教室いこ!」
彩芽ちゃんは、何ごともなかったかのように笑うと、私の手を引いて、1年C組の教室に歩き出した。
だけど、教室についてから、私はずっと考えていた。
(さっきの彩芽ちゃんの表情は、なんだったんだろう?)
私が、アラン君を好きだと、なにか困ることでもあるのかな?
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