小悪魔な天使の育成計画
しゅう
ロリ少女登場
私は酒井久美子。
至ってどこにでもいる高校生に過ぎない。
平凡な暮らしを送り、同じような毎日をただ繰り返して……
私の人生のキャンバスは真っ白で、ただ誰かが色鮮な何かを描くのをただひたすらに待ち続けているような毎日を送っている。
色一つ無いこの人生に私は何を求めただろうか。
あの日を迎えるまではそう思っていた。
―確かあの日は高校一年の春
だいぶ高校生活にも慣れ始めた頃だった。
あの少女と出会ったのは―
「ねぇねぇ、お姉さん!」
登校最中、背後から声が耳に届いた。
「……どうしたの?」
後ろを振り返ると、ランドセルを背負った小柄な少女が私の制服の袖を掴んでいる。
あまりにも突然見知らぬ少女に声をかけられたものだから、私の声は少し裏返る。
この子のことは全く記憶ににない。
「あたしね………お姉さんが好きなの…付き合ってくだしゃい!!」
勇気を振り絞って告白?をしたので顔が真っ赤に染まっているのだが、肝心なところで噛んでしまったいる。
にしてもこれは告白なのだろうか。いや、普通に考えれば告白だろう…だが、同性でしかもこんなに幼い少女が高校生で接点もないはずの私に恋していることを告げるはずもないだろう、なにかの勘違いだろう。
「勘違いしてると思うけど…」
「間違えてなんかないよ!あたしが大好きなのは久美子お姉さんだけなの!」
「うんん、きっと勘違いよ」
勘違いではないと断言する少女から視線を外し、学校の方へと歩き出す。
が、少女はめげなかった。
「あたしはお姉さんが好きなのぉぉぉおおおおおおお!!!」
周りの視線など気にせず、その小さな体からは想像できないほどの声量で声が発せられる。
し、しかとだ…しかと。
ぐっと拳を握り、俯いて小走りでその場を立ち去った。
「あたしは諦めないからね!!」
そんな声が背後から聞こえた気がした。
小悪魔な天使の育成計画 しゅう @kagi0716
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