第3話 激闘・最強の2人

「そうか、そうかそうか。 お前は魔王を殺すためじゃなく、俺を殺すためにそこまで強くなったってわけか」


 クウラは魔王の生首を聖剣でツンツンしながら言った。


「あぁ、そうだ。 僕がどれだけあの時、絶望したのか・・・ その身をもって知るがいいさ」


 バレンはクウラの反応が自分の思っていたものではなかったが、それでも、頭に過ぎった(もしかしたら仕方なく僕を遠ざけたのかもしれない)という思いを無理やり振り払った。


 あの時受けた悲しみと絶望。


 怒りと怨みはそう簡単に消えはしなかった。


「俺とやろうってのか?」


 クウラがなおも魔王の生首をツンツンしながら言った。


 ツンツンしながらだが、その声には凄みがあった。


「当たり前だっ! 今さら許してくれと言っても遅いぞっ!!」


 バレンは背中から黒刀を抜き放ち、その切っ先をクウラに向けた。


 先程、魔王の首をはねた黒刀。


「そうか、俺とやろうってんだな。 いいぜ、俺も無性にムシャクシャしてるところだ。 機嫌がすこぶる悪いからな、しこたま殴ってやるよ」


 そう言うとクウラは聖剣を魔王の生首に突き立てた!


 切っ先は魔王の生首を貫通し、床にまで達して電撃を発生させて魔王の生首を消し炭に変えた。


 クウラは柄から手を放してゆらりとバレンに相対した。


「剣を使わないつもりか?」


「お前如きに聖剣なんかいらねぇよ、それに、今は力いっぱいぶん殴りたい気分だしな」


 そう言うとクウラの全身が光輝き、稲妻をその身に纏った!


 空気を裂くようなバチバチという音が玉座の間に鳴り響く!


 その破裂音はまるで溢れる怒りを体現しているかのようだ・・・


「舐めるなよ、僕だって強くなったんだっ!!」


 バレンも黒刀を地面に突き立て、マントを脱ぎ捨てるとその身に黒炎を纏った!


 その炎は空気を焼くようにバレンが動くたびにヴォッヴォッと低く唸るような音をさせた。


 まるで炎が怨みの唸り声をあげるかのように・・・


「「いくぞっ!!」」


 ドゴォン!!


 2人の怒声が重なり合い、玉座の間の中央で拳がぶつかり合い、その衝撃波で王を護るために堅牢な魔鉱石で創られた玉座の間の壁そこらじゅうに亀裂が走る!!


 お互いが1歩も譲らずにその場で拳の応酬を始めた!


 稲妻のバチバチと弾ける音と炎のボゥッボゥッという焼ける音が絶え間なく響き渡り、重なり合う!!


「やるじゃねぇかっ!!」


「クウラこそっ! 魔王よりも遥かに強いじゃないかっ!!」


「当たり前だっ!!」


 稲妻を纏った足と黒炎を纏った足がぶつかり、衝撃で2人は互いに壁に激突した。


 ガラガラと壁を崩しながら立ち上がり、笑みを浮かべて対峙する。


 壁、天井を縦横無尽に駆け回り、凄まじい肉弾戦を繰り広げる!!


 延々と繰り広げられる殴打の応酬、蹴りの応酬。


 円柱が砕け散り、壁に穴があき。


 天井が崩れる、それでも王を護るために造り上げられた魔鉱石の玉座の間。


 魔族の大進行による猛攻撃にも耐え切った堅城はなんとか形を保っていた。


 お互いの拳がクロスして顔面を撃ち抜き、よろけて間合いが空いた。


 もう既に、2人は数時間に及ぶ激闘を繰り広げていた。


 2人の鍛え抜かれた人類最強と言って差し支えない肉体は、それでもこの戦いの終焉が近い事を物語っている。


「これならどうだっ!!」


 バレンが右手に濃密な黒炎を創り出した。


「ほぅ・・・」


 それを見てクウラも凄まじい稲妻を内包した球体を右手に浮かび上がらせる!


「蛇王怨殺黒炎砲ーー!!!」


「崩落山海雷光球ーー!!!」


 玉座の間の中心が魔力障害で空間が歪む程の力がぶつかり合う、その威力は互角だった!


「うおおぉぉーーーー!!!!!」


「はああぁぁーーーー!!!!!」


 1寸も中央から動かず、一定の力で押し合う炎と雷は横たわっていた魔王の骸を床に影だけを残して蒸発させた!


 魔力が霧散して濃厚な霧に変り玉座の間を漂っていた、まるで2人の事を伺うかの様に。


 お互いを纏っていた炎と雷は消えていた。


 魔力を使い切り、もはや魔力による武装装甲を纏えなくなっていたのだ。


 広間の真ん中にはお互いが突き立てた黒刀と聖剣が突き立っていた。


 2人の凄まじい魔力の奔流の中でも、その聖剣と魔剣は姿を一切変えることなくその場にあった。


 その二振りの剣を挟んで対峙していた。


 いや、もう既に2人の闘争心は消え、対峙と言うよりはただ向かい合い、佇んでいた。


「もう終わりか? お前の怨みやら悲しみとやらはそんなもんか?」


 クウラは相変わらずの毒舌をバレンに飛ばす。


「言い残す事はもう無いのか? それが最後の言葉でいいのかい?」


 バレンも不敵な笑みを浮かべて毒舌に応じる。


 周囲の濃霧が妙な動きで玉座に集まっていく。


 2人はそんなことを気にも留めずにヘラヘラとした笑みを浮かべて向かい合っていた。


「ふふ」


「はは」


 漏れるような笑い声が玉座の間に響いた。


「馬鹿らしい、魔王は死んだんだ。 こんなクソみたいな旅は終わりだ、俺は故郷に帰るぜ。 お前はどうするんだ、まだ続けんのか、その、復讐を・・・」


 クウラはひとしきり全力で暴れてスッキリしたのか、友を前に久しぶりに気の抜けた表情を浮かべていた。


 バレンの顔を伺うような表情ではあるが。


「僕は、そうだな、クウラもボコボコにしたし。 気は済んだかな」


 バレンもまた、さっきまで抱えていた怨みの念は消えていた。


 その顔にはかつてのあの朗らかな笑みがあった。


「へっ、そうかよ」


 クウラはバレンの朗らかな笑みを見てほっと胸をなで下ろすような気分だった。


『愚かな』


 不意に声が聞こえた、クウラとバレンが同時に玉座へ視線を向ける。


 そこには濃厚な霧が形を成そうと凝縮していた。


「なんだ?」


 バレンが疑問を漏らした。


『我が力を封印していた依代よりしろを破壊して我を殺したと思い上がるとは・・・』


 クウラとバレンが顔を見合わせる。


「おい、相手して欲しいんなら出ておいで。 ガスに向かって喋ってたら阿呆らしいからな」


 クウラは腰に手を当てて面倒くさそうに応じた。


『面白い、我が真の姿。 拝ませてやろう・・・』


 濃厚な魔力の霧が圧縮され、零れ落ちる様に姿を現したのは禍々しい角を生やし、真っ黒な眼球の中に一点の白い光を宿した瞳。


 体は青白く、痩せた体躯に凄まじい魔力を内包している事を感じさせる。


 その体をレザーメイルで覆った子供だった。


「いや、ちっせぇな!」


「おい、やめとけよ」


 クウラの毒づきをバレンが窘める。


「見くびるなよ」


 魔王の姿は一瞬で消えたように動きクウラの鳩尾を拳が貫通した。


 かに見えた。


「なに!!」


 魔王の完全に虚をついた拳は易々とクウラの掌に収まっていた。


「おい、容赦はしないぜ。 お前をほっといたらまた面倒な事になる、俺がな」


 クウラは魔王の手首を掴むと力任せに玉座に向かって投げつけた!


 玉座を粉砕し、魔王は壁に激突した。


「もう、旅はゴメンなんだ」


 クウラは面倒くさそうに吹き飛ばした魔王を眺めた。


「馬鹿な・・・」


 魔王は驚愕の表情を浮かべて立ち上がった。


 クウラもバレンも、本来なら4人程でパーティを組んで倒すはずの魔王を誰ともパーティを組みたくないが故にタイマンで圧倒出来るように修行を積んできた。


 そんな化け物が2人いる状況。


 魔王に万に一つも勝ち目は無かった。


「まだだ! いいだろう!! 俺の全てを解放して相手をしてやろう!!!」


 魔王の姿が内側から突き破る様に膨れていく!


 翼が生え、牙がメキメキと伸びて顎が突き出していく!


 その姿は遠い昔に滅んだハズの竜種。


 ブラックドラゴンの姿だった。


「おい」


 クウラはバレンを顎でしゃくって聖剣を抜いた。


「あぁ」


 バレンも床に突き立った黒刀を引き抜いた。


『愚かな人間共、七夜の内に全て焼き尽くしてくれるわ・・・ まずは、お前達からだ!!!』


 ブラックドラゴンは大きく息を吸い込み、森羅万象を灰塵と帰す黒竜の咆哮を吹いた!!


 クウラとバレンは黒竜の咆哮に呑まれそうになった時、クウラは聖剣を、バレンは黒刀を。


 それぞれ咆哮に向かって剣を薙いだ!


『ばかなあぁあぁぁぁーーーーーー』


 2人の剣閃はクロスして咆哮をいとも簡単に打ち消し、ブラックドラゴンを呑み込んで城の壁を貫通し魔王城を覆っていた暗雲をかき消した。


 クウラとバレンは空いた穴から外を見た。


 暫く、2人は無言でそこから見える景色。


 切り立った山々。


 城から続くかつて栄えた城下町を。


 尖塔の数々を眺めた。


「帰るか」


 ボソリとクウラが呟いた、一緒にとは言わない。


「あぁ、久しぶりに酒でも飲もう。 奢るよ」


「・・・ 静かな所がいいな」


 クウラはバレンに誘われて嬉しかった。


 もちろん、顔には出さないが。




 ===========



「ウッソだろクウラ! 嘘って言ってくれ!!」


「本当だよ、あの女がお前にやった御守り。 アレ、最初は俺に持ってきたヤツだよ。 お前って本当に女の趣味ワリーよな」


 2人は今、酒場で飲んでいる。


「そんな、ずっと好きだったって言ってくれたのに・・・ 待ってるって言ってくれたのに」


 バレンは懐から例の御守りを取り出した。


「お前、まだそんなもん持ってたのかよ。 縁起ワリーな、貸せよ!」


 クウラはバレンの手から御守りをひったくると聖なる雷で消し炭に変えた。


 クウラは初めて聖なる雷を操れる事を良しと思った。


「ばっ、何すんだよ!」


「いらねーだろこんなもん! 俺がお前をいらないって言ったのは演技だけどあの女がお前に言った“いらない”は演技じゃねーからな!」


 バレンは“はぁ”とため息をついた。


「お前も酷い事言ったよな」


「マトモに言ったって納得しなかっただろ、お前は」


 酒場に着いてから、クウラは事のあらましを全てバレンに伝えた。


 バレンは魔王城で対峙した時から薄々気付いていた、いや、クウラがバレンに“劣化版勇者はいらない”と言った時でさえ。


 クウラが本心から言っているとは心の何処かで思ってはいなかった。


 強くなるために散々に鍛錬したのも、きっとクウラに追いつきたかったのだろう。


「にしても、随分ときったねぇ酒場だな」


 バレンが案内したのは自分を転職させたジジイのいるあの酒場だった。


「あぁ、ここであったんだよ。 俺の職能を変えたお爺さんに」


 2人はカウンター席の端に座ってチビチビと酒を飲みながらツマミを口に運んでいる。


「本当かよ、そんな事が可能なのか?」


 ナッツを口に入れながらクウラが言う。


「実際、俺の職能を変えてくれた。 提示されたのは戦闘職の2種類だったけど、もしかしたらお前がなりたがってる“鍛冶師”に転職出来るかも」


 バレンはそう話しながらジジイを目で探すが見当たらない、いないのだろうか。


「儂をお探しかな?」


 2人が後ろを振り向くと、バレンが探していたジジイが立っていた。


「お爺さん、お久しぶりです」


「目的は達したようじゃな」


 目深に被ったフードの上からでもジジイが目を細めて嬉しそうな顔をしているのが伝わる。


「じーさん、本当に転職なんて出来んのか?」


「ふむ、ついてまいれ」


 ジジイはカウンターの羽根戸を上げて中に入り、二人を奥へと促した。


 いつかのジメジメとした階段を降りていくと相変わらずそこでは魔法陣が青紫色にぼんやりと光っていた。


「なんだよコレ、なんで酒場の地下にこんなもんがあるんだ?」


 もっともな疑問をクウラが口にする。


「それはな、儂が神でお前達をここに導いたからじゃ」


 2人はジジイの言葉に固まった。


「ど、どういう事ですか?」


 それだけをバレンが絞りだした。


「必然じゃよ、バレン。 お主がうちひがれた時、訪れた場所にたまたま儂がいたんじゃない。 儂がお主をここへ来るように導いたのじゃ」


 バレンはクウラと顔を見合わせた。


「なんの為にですか?」


 状況と流れが未だ呑み込めない、あのクウラでさえ目が点になっている。


「ふむ、お前達に頼みたい事があってな。 お前達が倒した魔王、アレは儂がこの世界を創り出した時に世界の1部を掠めとって行った者なんじゃ、その掠めとった世界を“魔界”なんぞと名付けて統治していた。 他にも世界を切り取って」


「そんな事より、じーさんが本当に神なのか」


 クウラがジジイの話しを遮った。


 ジジイは躊躇いがちに目深に被ったフードを取り、ボロボロのローブを脱いだ。


 そこには純白の衣を纏った豊かな白い髪に豊かな白い髭を蓄えた好々爺といったジジイがいた。


 その体は随分と痩せ細っていて貧相な体躯である。


「いかにも儂は神じゃ、それが証拠にバレンの職能を変えてみせた。 神が与えた職能を変えられるのは神だけじゃ、では、話を戻す。 よく聞くのじゃ、魔王ヴぁ」


 クウラの聖剣ならぬ正拳がジジイの人中に突き刺さった!


 鼻の下の、顔面の中で殴られたら1番痛いところだ。


「てめーかっ!! てめーのせいで俺はっ!!! 前歯へし折ってやんよっ!!!」


「やめとけってクウラ! もう折れてるよっ!」


 後ろから羽交い締めをしてバレンがクウラを止める。


 ジジイは口元をおさえて“かひゅっかひゅっ”と痛みに悶絶していた。


 上と下の前歯が2本づつ飛んでいた。


 ジジイは千里眼と読心術でクウラが自分の事をどう思っているかは知っていた。


 だから、弱々しい爺さんの姿なら加減してくれるかなーっと思ってこの見た目をチョイスして姿を現したのだが。


 一切容赦のない殺人パンチが飛んできて少し漏らしてしまった。


 口に中位回復魔法ヒーリングをかけて、股間に環境浄化魔法クリーニングをかけてから立ち上がった。


「お、お主の怒りは分かっておる。 だが、仕方なかったのじゃ。 お主ほどに勇者ブレイバーとしての適性が高い者は他にいなかったんじゃ」


「うるせぇっ! この上まだどっか行ってこいみたいな話しを始めやがって!! 前歯へし折んぞテメー!!!」


 ジジイは“まだ折るんですか!”っと戦慄した。


「た、頼む。 なぜ探索者シーカーと呼ばれる者が沢山いて、なぜ戦闘職なんていう物が世にあるのか。 考えて欲しい、儂からこの世界を切り取った奴らはあわよくばこの世界も掠め取ろうと狙っておるのじゃ、儂はこの世界を護りたい、協力して貰えぬか?」


 ジジイは半ば縋るように頼んだ。


 探索者シーカーはジジイがこの世界から切り取られた部分を人々に見つけて欲しくて作った物。


 そして、戦闘職は来るべき戦いの時に戦える様にジジイが人々に力を授けた物だったのだ・・・




 ======



「そんで、この今俺達のいるのが現界で、魔界の他に地界と霊界があるから取り返して欲しいと、そういう事か」


 話し終えたジジイの言葉を要約してクウラが話す。


「クウラ、もういいだろ、お爺さんにいつまでも正座させとくなって」


 ジジイは今、床に正座をさせられていた。


 もう既に小一時間、足の痺れは限界を超えてもはや足の感覚は無くなっていた。


「ダメだ、そんくらいさせとけ。 死ぬわけじゃねーんだからな」


 バレンに言われてようやっと解放されるかと腰を上げかけたジジイに容赦無くクウラが言い放った。


 ジジイはまた正座で膝の上に握りこぶしというポーズに戻る。


 バレンはジジイを見て気の毒そうに“はぁ”とため息をついた。


「にしても、お爺さんが、つまりは神様が探索者の館シーカーロッジの創設者だったなんて、凄い話しですね」


「うむ、儂は姿を自由に変えられるからの。時代時代で姿を変えながらゆっくりと準備を進めていたのじゃ、そして待っていた、お主達のような強力な存在が産まれるのをな」


 思わせぶりなセリフも正座をして反省させられながらでは全く雰囲気が出ない。


「俺はゴメンだ、他を当たってくれ」


 クウラはキッパリと断った。


「クウラ、お主ならそう言うと思っておった。 どうじゃ? 事が終われば鍛冶師に転職させてやろう、それに、永遠の若さでも金銀財宝でもいくらでも出そう。 やってくれんか?」


「いらねーよ、これ以上テメーの掌の上で踊ってたまるか」


 クウラは吐き捨てるように応えた。


 ジジイは望みをバレンに託してバレンを見上げた。


 まるでダンボールの中に捨てられた子犬を思わせる目でバレンに訴えかけた。


 バレンはジジイの視線を正面から受けた。


 魔法で傷は完治しているがジジイの顔は乾いた鼻血で酷い有様だった。


 バレンは非常にジジイが可哀想に見えた。


「クウラ、行こうぜ。 今度こそ、俺も最後までお前と一緒に旅を続けるよ。 今度こそ、今度こそ2人で世界を救おう」


「・・・」


「クウラ」


「くそっ、わーったよ。 2つ条件がある! まず、それが終わったらジジイは俺に世界中の鉱石を寄越せ、一生涯かかっても無くならないくらいの鉱石だ。 それと鍛冶師への転職、それが1つ目だ」


 ジジイの顔がぱっと輝いた。


「やってくれるか!」


「あぁ」


「地界も霊界も入口は探索者シーカーが見つけ出しておる、すぐにでも頼む、奴らは今にもこの現界へと攻め込もうとしておるのじゃ」


「分かったよ、行くぞバレン。 今度はきっちり最後まで着いてこい、お前への条件はそれだ」


 クウラはバレンの顔を見ずに言ってからさっさと石段を登り始めた。


 バレンは石段を上がっていくクウラの後ろ姿を嬉しそうに見つめる。


「あぁ、今度は最後まで一緒だ」


 クウラに聞こえないくらいの声で呟いて後について階段を登った。


 これから、彼等はたった2人で二つの世界を取り戻した。


 だが、それはまた別のお話。


 〜[完]〜

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

勇者にコンビを解消されて恋人まで寝取られたので修行して最強になって先回りして魔王を倒して待ってることにした。 金城sora @sora-kinnjou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ