崩れていく……。

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……、という言葉が螺旋となって頭蓋の内をかき乱す恐怖を感じた。この表現を思いつき、率直に文章として書き出す、作者様の大胆さが好きだ。 擬態語や擬音語を効果的に使うことが出来るという確かな力を持っている。

恐怖を演出する文章というものは本当に難しい。その点、作者様は一部をカタカナ表記にすることで、日常を非日常が侵食されていき、その境界線が曖昧になっていく様を演出している。そういった使えるものは何でも使おうという意思がつぶさに感じられて、思わず唸ってしまうほど感心してしまった。

惹き込まれる物語であるのだが、もう少しだけボリュームがあっても良いとは思う。主人公の魔法の言葉(あえて、そう表現する)をもっと頻繁にに語らせるのも一つの手だろう。このままでも十分に成立している物語であるが、惹き込まれる話であればあるほど、多くを求めてしまうものである。どうか、お許しを……。