とんでもない盾
仲仁へび(旧:離久)
第1話
冒険者をやっている俺は、装備と武器の性能重要だと知っている。
良い装備をつければ、生存率があがるからだ。
モンスターにやられる確率がうんと低くなる
昔それを知らずに、お金をけちってて痛い目をみたんだよな。
だから俺は、耐久力が減った装備や武器に気が付いたら、すぐに買いかえたんだ。
そしたら……。
「ボクスゴイタテ、ゴシュジンサマ、マモル!」
「ぎゃあああ! 盾がしゃべったぁぁぁ!」
手に持っていたそれを、思わず放り投げた。
俺の盾がとんでもない。
どうとんでもないのかというと、聞いての通り喋るんだ。
普通、武器は喋らねーよ。
それに、無機物も喋らねーよ。
それなのになんで喋ってるんだよ。
こえー。
超こえー。
なんだこの盾。
ひょっとして呪いの盾?
捨てようかな。
いくら良い盾でもこんな不気味な盾持てるかよ。
でも、地味に高性能なんだよな。
めったに出会えないくらい。
はぁ、喋らないんなら、ゲットした時にものすごく喜んでたんだけどな。
一体、なんでこんな盾が存在するんだ。
僕は盾だ。
世界に二つとない盾。
どうしてか喋ってる。
考える頭もある。
ううん、何でだろう。
気が付いたら喋ってたからよく分からないんだよね。
あっ、でも生まれる前の事は少し覚えてるよ。
今のご主人様と似てる人の夢。
うーん、その人は、今のご主人様よりちょっと若いかな。
僕は夢の中で、その人の背中を守ってるんだ。
その夢の中では、僕はこれからもその若い誰かを守っていきたいと思ってるんだけど、身に着けていた盾が貫通攻撃で穴があいて、死んじゃうんだ。
悲しい夢だったな。
私は彼の盾になろう。
そう決めたのに。
「死ぬな! 頼む死なないでくれ!」
彼の盾でいられるのはここまでのようだ。
彼といっしょに旅をしていたのは楽しかったな。
けれど、モンスターに後れをとって、瀕死の傷を受けてしまった。
もう、長い事もたないだろう。
ああ、いままで彼の役に立てただろうか。
この願いが叶うなら、生まれ変わっても、彼を守る私でいたい。
「ボクスゴイタテ、ゴシュジンサマ、マモル!」
「ぎゃあああ! 盾がしゃべったぁぁぁ!」
とんでもない盾 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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