紅葉リベンジャーズ
白川津 中々
■
「染まってる奴いる〜? いね〜よな〜!?」
京都は嵐山。言わずと知れた紅葉の名所だが、ある一区画のみ色付かない木々があった。
紅葉もみじ會。
それが彼等の名である。
もみじ會は人間への見世物となる事を拒否し紅葉を拒絶。真のもみじは染まらねぇとの信条のもと深緑を心の錦としていた。彼等の頑ななる無変化は嵐山自治会を苦慮させ心胆の尋常を欠かせた。殊、自治会長である梵黒龍においてはそれこそ狂気に染まるまで深刻な失調をきたす。
「乱心! 乱心!」
嵐山に響く騒動の報せ。黒龍がチェーンソー片手にもみじ會一帯に生える木々を薙ぎ倒さんと無双状態になったのである。
「どうするモミキー!?」
「このままじゃヤバイいよ!?」
東京もみじ會総長。モミキーこと、桜もみじろうに一同すがる。
「慌てるなよ……ぶっ殺せば済む話だ」
言うや否や、モミキー渾身の根っこキックが黒龍に炸裂した。
「ぐえー」
黒龍、死亡。
「なんてこった! 自治会長が殺されちまった!」
「この人でなし!」
黒龍の死をきっかけとして、もみじ會と嵐山自治会は戦争状態となる。これが後に謳われる、血の大文字勃発の幕開けであった。
紅葉リベンジャーズ 白川津 中々 @taka1212384
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