ユリの香りに誘われて
@ruru_mana
第1話 出会い
「奏ー部活まだ決まらないのー?」 とっくにソフテニに入部すると決めていた友達に言われた。わたしはいつも優柔不断で「コレだ!」とおもっても数時間後にはまた迷ってしまう。中高一貫校に通っていた姉がいた私は部活選びは一大行事だと考えていた。六年間続ければ大学受験で役に立つし、友達だって一生の付き合いになるだろう。そんな大事なこと私がすぐに決められるはずがない、、そんな私だけれど一応候補は二つまで絞れていた。水泳部かバレー部。どちらも得意ではないがそこそこできるかなーくらいで候補にしていた。いい加減早く決めろと催促する友人に連れられはじめは水泳部を見学した。アットホームで楽しそうだったがどこか物足りない気もした。それくらいが私にはちょうどいいかなーなんて考えつつも、バレー部も見に行くことにした。バレー部は1人で見に行くことになり、走って体育館までの階段を上り靴をマットの上できれいにして体育館に入った。
体育館に入るとバレー部と剣道部の掛け声が響いていた。ボールが床にぶつかる音と声の大きさに萎縮しつつ、水泳部と違って「これが部活!!アニメで見たかんじだー!!」ともおもった。
体育館の雰囲気にも慣れはじめたころだろうか。
ふと目についた1人の先輩から目が離せなくなった。先輩は誰よりも美しかった。かっこいいスパイクに弾けるような笑顔。今まで見たどんな人よりもかわいいと思ったかわいいなんてレベルじゃなかった。特にどうしろというわけでもないのにどうすればいいのかわからなくなりそうな可愛さだった。「バレー部に入ろう」いまだかつて私がこんなにはっきり何かを決められたことがあっただろうか。その先輩との出会いはそのくらい私にとって衝撃的な出会いだった。
この先輩との出会いをきっかけに私の中学3年間の青春が幕を開けた。
ユリの香りに誘われて @ruru_mana
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