地の文やセリフ、独白が重厚で、濃厚な文字で内面がにじみ出るように伝わってきます。悩んでいるのは自分だけではなく、お互いに相手がそんな風に思っていたのかと気づき、驚き合う瞬間にようやく二人がわかり合えた「出逢い」を感じました。冒頭だけでガリガリ君やあずきばーなど、夏の醍醐味を味わいたくなります。初夏を思わせる澄み渡った景色の中で、内面にドロドロを抱えながら、二人がどんな爽やかな青春を紡いでくれるのかとても楽しみになる作品です。