-答え合わせ編-
短編には情緒もへったくれもない答え合わせ編を入れることにしました。
ということで、あとがきです。
人間の命を握る存在を神だとすれば。
主人公の女の子は金魚にとって、自分がそういう存在だと思っていました。
金魚の生死は彼女の思いのままだと思っていたのに、世界最後の日がやってきたとき、状況は逆転してしまいます。
しかし彼女はその皮肉を素直に受け止めます。
自分の思い上がりに気づいてしまったから。
赤ちゃんやペットなど弱いものは確かにひとりでは生きられませんが、その生き死にをどうこうする権利は誰にもないのです。
そして、世界は最後の日を迎える準備に入りました。
親も、子どもの命は自分の手中だと思っています。
そして親は、子どもを助けることに自分の「生」を見出します。
助けることなど無理とわかって目を逸らしているのは、子どもを守る親である姿を、自分自身に刻むためなのかもしれません。
けれど女の子のほうは、彼女にとっての金魚鉢である家を飛び出して、最期をどう生きるか自分で決めようとするのです。
肥大化した月という現実の前では、「生きる希望」も「死ぬ希望」も所詮戯れでしかないねという、圧倒的絶望スマッシュがオチです。
実は少し前に祖母が永眠し、昨日がお葬式でした。
突然のクソ重話でごめんなさいね。
亡くなったと連絡を受けた日、寝付く前に、布団の中でいろいろと考えて、「ああ、死ぬの怖いな」とか思ったりしたんです。割とライトに。
昨今の小説では簡単に自殺や心中し、それを美としておカタルシスとしている描写もよく見られますが、自分はこう見えてメリバ(バッドエンドに見えるけど本人たちは幸せ)は悲しく思うタイプなので、登場人物たちにはもっと希望のある幸せを掴んでほしいなと改めて思いました。
そういう、人を救う短編が書きたいです。
以上。
ども、ありがとうございました。
さかなになった日 アサミカナエ @asamikanae
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