第31話 Kobold-Vagrant-Batshit-Bastard6
思えば純粋混じりっけなしゴリッゴリのアタッカーは初めてだった。すげえ頼もしい。
受付おねーさんのご馳走食べてから翌朝、訓練所でおねーさん相手に稽古つけてもらってたのだが、さすけつことスーサイドの攻撃的バフと癖歪み忍者ことライ麦畑の防御的バフで固めてから壁役の邪聖少年ことビューティーが盾を前面に押し出して距離を詰め、柄の長い短剣を両手持ちしたさすけつが距離を詰め、《隠形》して後ろから癖歪みが距離を詰め、ズタ袋少女ことエリーゼ(本名)が魔法で火気と冷気を同時に放出しつつ、大鎌を構えてミドルレンジから距離を詰め、もう全員詰め詰めで訓練所おねとの押しくらまんじゅうになってる。なんだ、全員ゴリッゴリのアタッカーだった。頼もしい仲間たちだぜ。
「パーティーのバランスが悪いんだよおおおおおお」
「そうだねー。《
おねーさんの良くわからないエネルギーの奔流で全員やられてしまった。
それでも繰り返すうちに全員が全員万能かつ有能なので都度の役割分担を即興で決めていくが、属人的な対応で解決していくと今後に支障が出そうだな。いや、少数精鋭だからそれで良いじゃないか。なんで戦争でもするような思考になったよ今。怖。全部ショタコーンのせいだな。もうもう1回ぶん殴っとくんだったな。
一通り訓練して、我らが
2、3人でもあっさり倒してきたので5人いると敵モンスターが溶けるように消えていく。投擲や魔法ぶっぱなしてパーティー4人がかりで削り、召喚モンスター1匹が残りを蹴散らして御仕舞いだ。
背も縮みレベルも俺たちに近づいた旧さすけつ、現スーサイドのスーちゃんであるがこれが滅法素早い。体型も変わったのでピョンピョン跳び跳ねる軽さ速さ重視の戦法に切り替えたのだろう。ステータスの変化を感じさせない戦果をあげる辺り、レベルとは異なる経験値の蓄積、大人と子供の差、を感じる。こんなちっこいのに頼もしいおねーさんだぜ。…ふむ、獣毛でもふもふと覆われてるが筋肉がむっちりと詰まっているな。俺たちと同じ年齢で既にこのグラマラスさ。そして所作が洗練された大人なのに肉体は若いエネルギーに富んでいるその温度差。むむむ。むむむむむっ。
「
「水飲み場までガマンできんかもしれん。急ぐぞ!」
「そんな急ぎ方あるか!大丈夫なのかこのパーティー。ワタシ転職失敗してない?ペット扱いだしな!?」
「そのうち馴れるでゴザル」
走りながらペット扱い1号がしみじみ呟く。良く訓練されておる。
「最近、ペットどころかゴミ箱みたいな扱いな気がするでゴザル」
ふむ。思い当たるフシしかないゼ。
「でも、そんな扱われ方がちょっと楽しいのです。
走りながらゴミ箱扱い1号がこしょこしょ囁く。水飲み場までは当然ガマン出来なかったことをここに記す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます