第32話 Cat-Sit Rat-Fat Bat-shiT
件の水飲み場までは来たが、愛着湧いて積極的には
兎にも角にも。狡兎死して走狗煮らるるも。兎たるゴミ箱1号がパンパンになったので狗たるペット2号を煮浸しにしたのだけども。ダンジョンの深層へ進んでいく。
ダンジョンの住人の顔ぶれが変わって暫く、腹が空いてきた頃に一度休憩を入れた。ダンジョン内の住人たるモンスター達はバイ菌寄生虫の類いをほぼほぼ飼ってないので安心してかっ捌いてお昼ごはんにしていく。
「ああああ!なんでー!なんでこんなカワイイ生き物をぉ!!」
道中餌付けしながらずっと
「?毛皮は売れるし肉は旨いしで捨てるところのない人気のジビエでゴザルよ」
「義弟君は北方の生まれと聞く。馴染みのない食材には抵抗があるものだワン。ワタシもアワに慣れてるから米や麦にイワカンがある。美味いワ美味いのだがなぁ」
「私の故郷だと暖かいせいかもっと小さいんですよね。此方のはまるまるしてて食いでがありそうです」
「なぜ、誰も、共感してくれないの!?あ、悪魔!」
何を今さら。悪魔かその眷属しかいないぞお前の周り。
ぢゅうぅぅと新鮮で美味そうな断末魔を上げて血抜きされる
「ああああああ!」
邪聖少年の意外な一面を見たな。カワイイの感性が不思議という。
今生の俺は相当に高スペックなので本来はもっと深層まで行くべきなんだろうが、なに、焦る冒険でもない。ゆっくり、100年くらいかけて攻略するつもりで良いんだ。多分、気を付ければほぼほぼ不老不死だろうし。太く長くイきたいもんだぜ。
「うう。ここまでか。もう少し生きてみたかった。ハハッ。こんな美人に食われるのなら、少しはマシな人生と言えるのかね」
「おいビューティー。いくら
…アフレコってなんだ?
「?何の話だいB兄ちゃん」
邪聖少年の方を振り向くと
手に抱えた今から屠殺、という寸前の
「あ、あんた、おれの言葉がわかるのかい?」
「いやわからねぇな」
「おお!通じてる!あんた様が伝説に聞く救世主さまか!か、神様は我ら
「どうした
「むむ、これは、ちょっとビューティーどのの気持ちがわかる気がするでゴザル」
「カワイイと美味しいを両立する何て素晴らしい食材ですね」
「おれの体は救世主さまに捧げます。煮るなり焼くなり踊り食いなりお気に召すままに。ですのでどうか、どうか我らが国をお救いください。どうかおれの魂をお救いください。どうか」
おへそを天に向けたまま手を組んでこちらを見つめる
「おお、
「
「くどく…功徳?へい!おれ、いままでの人生で要らぬ殺生はしたことありません。レベルアップも訓練によるもののみです。腹八分以上の木の実は貧しい仲間に分け与えて来ました。神様、おれの誓願に応えてこの美しき救世主さまを遣わしたのですね。ハハッ。人生棄てたもんじゃねえなぁ」
すごい。しゃべる生き物ってすごく食いづらい。信心深い無辜の民草感強いしそれも食いづらい。罰が当たる食い物じゃん。
これ、何か救わなきゃいけないやつ?このヘソ天井ネズミの言うとおり、神様の試練ですか?
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