第23章ー少年と隊長ー22

「言っちゃあ悪いが、俺はアンタと初めて会った時から感じていたんだ。血生臭さい臭いがする奴だってな。言っておくがアンタは頭のネジが外れまくってるぜ。それもかなりぶっ飛んでやがる。うちにも似た奴がいるけど、じーさんもそれに劣らずイカれてる。俺からの褒め言葉だ。有り難く受け取れよ」


 ケイバーは彼にその事を言うと褒めた。


「――ほぅ。面白い事を言うな。実に興味深い言葉だ。何も腐ってるのは私だけではあるまい。お前はどうなんだ?」


 ゲボルザークはそう言って彼に問いかけた。その質問に鼻で笑うと答えた。


「そうだな。熟した林檎が腐りかけてるように俺も腐りかけてるだけだ。ただ、いまはその途中だけどな?」


そう言って答えるとケイバーは持っていたリンゴを彼に向かって投げた。それを手で掴むとゲボルザークは黙って口を閉ざした。


「俺にとってこの世界はわかりやすい。犯罪やら殺し合いやら殺るか殺られるかの単純な世界だ。神様は人一人救えやしないさ。あいつはいつも、お高い上から俺達を見てるだけだ。もしいるならどこにいる? 俺に教えろよ」


彼は狂気を秘めた瞳でそう話すと闇の中で嘲笑った。そこには彼の心の闇が見えた――。

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WORLD END―終焉の鐘の音― 成瀬瑛理 @face52

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