後日
約4ヶ月後、ドラマが最終回を迎えた。
ウォンジュンの演じる御曹司は主人公とヒロインが結ばれる為の当て馬として扱われたのち、非道な振る舞いに対する罰らしい罰も与えられずに終わってしまった。
俺の懸念した通りになってしまった─バラエティ番組の仕事でドラマを見られなかったウォンジュンは、SNSのトレンドに自身が演じた御曹司の名前が上がっているのを確認して胸を痛めながら帰宅した。そして自室のベッドに茶色の小瓶を持った盛重が座っているのを見て頭を抱えた。
「随分ぬるい最終回だったね」
「すみませんね」
「買っといて良かった」
小瓶の首を持ち振り子のように振ってみせる盛重。小瓶には力強い書体で書かれた『マカ』の2文字。
「俺は明日休みだし、ジュニは明日午後から仕事だし、今夜は熱い夜になりそうだね」
「それ買うの恥ずかしくなかった?」
「スカッとできなかった視聴者の皆さんとこれを買うことで恥をかいた俺の分まで屈辱を与えようね」
「恥ずかしかったんじゃん。あ、俺いまイチジク切らしてんだけど」
「買ってるよー」
盛重が背後からイチジク浣腸を取り出した。その数40グラム10個入。
「精力剤とイチジク浣腸セットで買ったの?もしかしてゴムも買ったの?お察しのフルセットをレジに持ってこられた店員さんの気持ち考えな?」
「お察しのフルセットを持ってこられた店員さんの分まで屈辱を与えるということで」
「やだ来んな!」
ウォンジュンは部屋の隅に縮こまりシッシッと手を払ったが、間もなく盛重によって上着を脱がされ風呂場へと連行されたのだった。
屈辱 むーこ @KuromutaHatsuro
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