帰ってきた書き手が魅せる軽妙洒脱な小話

 1年の時を経て、木元宗がカクヨムに戻ってきた——! これは再始動した著者(女性)が創作活動で押し詰まった息を抜くがために書きだした、雑なる記録である。

 そんな感じの背景を下敷きにしました著者さんのエッセイ、()内の特記がなぜ必要だったかは本編でご確認いただくといたしまして。

 各話の流れがものすごく綺麗なのですよ。他愛ないお話が意外な方向に転じて紆余曲折したり、まっすぐ語りきられてすっと着地したり。読んでいて思うのは、熟達した噺家さんの「小話」を聞いているようだなぁということ。楽しめるものを書こうという著者さんの心意気と構成センスが合わさっていればこその妙味ですねぇ。

 そうしたお話とは別に創作用メモなどもあるのですが、こちらはご自身のネタへ客観的な分析をされていて、やはり確かな構成力が感じられるものとなっているのも見逃せません。

 ただ読むだけでもおもしろい! その上で創作者としての深みも感じられる良エッセイ、おすすめです!


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=高橋 剛)