30歳の、何処にでもいるようなくたびれた青年がいきなり性転換して魔法少女に!?
くりくりおめめに ふっくらつやつやな唇 透き通る緑の髪が踊る甘やかな魔女っ娘に。
でも、元の自分に戻りたい!
私は大丈夫と強がっていても
自身に自信が無く、愛情に飢え、痛苦に喘いでいる。
明朗闊達な女の子と知り合い 惹かれるも年も違うし元男だからと 距離を置いてしまう。
しかし、ある事を機に2人は急接近し、すれ違いながら、心を通わせていきます。
時に甘く、酸っぱく、ホロリと苦い…
切なさと愛おしさで胸が一杯になります。
現代ファンタジーと銘打たれていますし、その背景と世界観は非常に練り込まれていて、思わず唸ってしまう。
けれども、なによりも2人の行く末が気になって仕方なくなっちゃいます。
しゅごく可愛くて、所々崩れ落ちそうで、それでもしっかり格好いい。
Q.——TS百合は百合に含まれますか?
A.——含まれます。少なくとも
この作品に関しては。
なにぃ〜? 三十路男がTS幼女化して(肉体年齢からすれば)年上の魔法少女と百合展開、だとぉ〜〜??
それだけ聞いたら、普通なら犯罪臭しかしないと思いますが……
——ところがどっこいごっつぁんどすこいそうはいかん丸〜〜!!!((🤲))🐶
この作品は百合です。まごうことなき百合です。尊み秀吉です💕
——とにかく百合としての完成度が高い!!
でもそれだけじゃありません。
——魔法少女モノとしても完成度が高い!!
設定と世界観がすごく作り込まれていて、すごく惹き込まれます。
いやすごいですよ、ホントに。すごいしか言えない。
他にも魅力はいっぱいあります。
——個性的かつ魅力的なキャラクターたち
——謎が謎を呼ぶ、続きが気になるストーリー
——ド派手な魔法によるど迫力の戦闘シーン
——魔法少女それぞれに固有の魔法による多彩な能力バトル
——女の子同士のキャッキャうふふな(非)日常風景
——全員二十歳以下とは思えない魔法少女たちによる高度な政治的駆け引き
——そしてもちろん、主人公とヒロインちゃんの間に育まれる百合……!
……などなど、挙げるとキリがないね( ^ω^ )
まあとにかく、魔法少女好きも、百合好きも、あるいは能力バトル好きとか、とにかく面白い話が読みたい人とか……
そんなみんなにオススメです♪
……読んでみな、飛ぶぞ☺️👍
(この作品からしか摂取できない栄養が、確かにある……!)
この小説を推す理由はただひとつ、この作品でしか摂取できない栄養があるからです。
『性自認が男のTS百合は百合ではない!』と百合原理主義者を気取る私も白旗をあげて降参した、出会ってから一年以上、同じ魅力と尊さを味わえる作品をいまだに見つけられないTS百合の傑作。
というわけで、初レビューをここに捧げます。
さて、この【魔法少女タイラントシルフ】、導入からして容赦がありません。
ある日マスコット的な存在に選ばれ女の子に! というテンプレ的な導入でありながら、魔法少女らしい甘さはかけらもなく、むしろ昭和的な改造人間を彷彿とさせるやり口は、まんま敵組織のそれです。シ○ッカーかな?
そんな導入からもわかるように、ややダーク寄りの仄暗い作風です。
魔法少女の在り方も、時おり顔をのぞかせる世界の有り様も、いびつな不穏さに満ちています。
ひいては、この作品のいち推しポイントである主人公の精神性。
会社員として一応の生活を送る程度には社会に溶け込めていた三十路男の、しかし奥底に潜んでいた心の欠落と幼い内面が、TSによって無理やり剥き出しにされてしまいます。
それに向き合い寄り添ってくれた、自分よりずっと歳下の少女に、〝大人〟を気取りながらも依存していく痛々しいまでのあどけなさ(と、ちょろ可愛さ)。
そのすべてを受け止めていくうち、胸に芽生えたものがただの親愛や友情ではないと気づいてしまったヒロイン。
ああ、これはまごうことなき百合。これが百合じゃないならなにを百合と呼べばいいのかっ!
本当ならありえなかったはずの関係が、切実さが、TSによって成り立ってしまう――性自認や性指向が明確に変わったというより、お互いに向けた矢印が性別を超越した結果として〝百合〟へ転じる――という逆転は、むしろTS百合ならでは。
心身ともに性別が一致した(少なくとも明確な違和感を抱いていない)女子同士の、本来の百合とはまた違った魅力があります。
そのため、『いやどうしてもTS百合だけはダメなんだ』という方には残念ながらお勧めできないものの。だいじょうぶ、むしろ大好物という方であれば、読まない理由がないと自信をもって推しましょう。
え、主人公が元大人の男のくせに幼すぎるとか嫌?
ご安心ください、それには相応の理由があるのだとのちに明かされます。
――じゃあ読んでみるか、となってくれた方へ。
この作品は〝なろう〟での連載が先行しており(すでに第四章まで完結。主人公のヒロインっぷりとヒロインの主人公っぷりが加速して情緒が乱れること受け合い)、さらに挿絵の追加、本編とはべつのIFストーリー(エッッッなもの含む)が投稿されているなど、ぶっちゃけ向こうが本家という感じです。
私としては、読むという点でならカクヨムさんが一番だと思っていますので、できればこちらでも連載再開してほしいなあという願いをこめつつレビューします。