詩①(テーマ「社会(だったはず)」)

首席が紡いだ机上の空論

高く掲げた錦の御旗

官軍の呼び名に胸を張れ

歴代一位が疾走していく行進路

優等生が追従していく絵空事

昨日の英雄が今日は槍玉にあげられる

取っかえ引っ変えの総大将に

飛び出したくない杭ばかり

権利は宝の持ち腐れ

選んだ顔が付き合わされて

出された答えは折衷案

普通だよね、の大合唱

残酷な規範はきっとこのまま瓦解しない

後悔は酷い遅刻魔で

いつだって革命は的外れ

遥かお空の神様は残念ながら近視のようで

遠くの地上が良く見えない

ぼやけた視界に妥協点

見えない場所は見ないまま

暗黙の了解に黙殺された少数派

統計の行間で息を潜める大多数

決まった答えにはいつも人気者の意見が反映されている

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