亡き妻をアンドロイドにした夫と、娘を勝手にアンドロイドで再現された父親の衝突のシーンが痛々しい。権利なんて本当は誰にも無い。作る権利も、やめさせる権利も。ただあるのは故人に対する想いと、いつまで経っても決着のつかない感情。良いか悪いか?という倫理の現場に置き去りにせれた感情の取り扱いについて想い起こさせる作品。
読むたびに新しい展開が飛び込んできて構成力の旨さに引き込まれました。テーマも現代社会が抱える難問に焦点をあてており社会派SFとして完成度の高い作品ですね。ラストシーンには少しほろりとしました。
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