第3話 芸能事務所から電話?
ひとまず有名無名あらゆる芸能事務所に履歴書を送った。写真もバストアップと全身を撮影したものを添えた。
当時新宿にあった「キャバ嬢御用達」と言われているいい感じに撮れる写真屋で撮影を敢行したものだ。いまではsnowでみんな盛りまくっているが、当時はそういう技術、あんまりなかった。
「めちゃくちゃカッコ良くして!」と頼んだが、まあ、理想とは遠い出来だった。カメラマンは悪くない。どっちかといえばこちらの素材の問題である。
「キタハラさんですか?」
知らない番号から電話がかかってきた。
「はい」
「こちら××ですが、面接のお時間を」
最初なにを言っているのかわからなかった。一ヶ月ほど経っていた。やたらめったらに送っていたので、事務所の名前も忘れていた。
「えーと……、もう一度よろしいでしょうか」
ひとまず名前を聞き返した。
「××です」
思い出せ!
思い出せ、自分! たぶん芸能事務所、だよね? そうだよね?
さっぱりわかんね〜!!
ひとまず日時と住所を告げられ、電話は終わった。
そういえば一ヶ月前、芸能事務所に何十通も履歴書を送ったんだった。しかし待てど暮らせど連絡はなく、ただだらだらと過ごしていたのだ。
即漫画喫茶に飛び込み、検索をした。
……ここか!!!
事務所の所属タレントリストを見ると、二名ほど、特撮の主役級で出演している人がいるではないか!
これは……いける! 他の人は、なんかよくわからなかったけど、仕事内容もあんまりドラマや映画に出ている感じじゃないし。そもそもタレント部門とモデル部門に分かれている。松竹梅のランクはあれど、身綺麗な人たちばかりであった。
まあ僕はモデルなんてできなかろ、というか返事がきたんだから、ここ、いろんなタイプのタレントを求めているってことなんじゃないのか? なにはともあれ、初芸能事務所潜入だ!
……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます