死神の逃亡者

Extra stories

【登場人物紹介】

　本編お付き合いありがとうございました。以降は、本編では語られなかった千秋視点でのお話で彼の内面が明らかになったり、素敵な挿絵イラストをいただいて、それに寄せて書いた番外編が続きます。

　の前に、あとがきがわりの登場人物紹介など。少しネタバレを含むので、本編読了後にお読みになることをおすすめします。

　◆ 駿河（するが） 凪（なぎ）

　身長１７４cm、十九歳（第四話以降）。

　中肉中背、少し長めの前髪と襟足。わりと端正な顔立ちで、女子にはモテるし経験もそれなりだが、あまり執着心がないので気がつくとフラれていることが多い。でも本人はさほど気にしないし、周りからもあいつなら仕方ない、みたいな感じで意外と恨まれたりもしないタイプ。

　某国立大学の一年生。入学直前に父親が亡くなった挙句、借金まみれだったことが発覚。家財のほとんどを処分することになり、路頭に迷って行き倒れたところを、死神の迅に発見される。

　以降、「共謀者（Collaborator）」と呼ばれる死神の契約者となって迅の側で過ごしていたが、凪に襲いかかる殺人者たちを始末する迅の残虐行為（スプラッタ）に耐えかねて、迅の前から姿を消す。その後もさまざまな危機に遭遇し続けた結果、行き倒れ、今度は千秋に拾われた。

　基本的にはツッコミ属性のチャラい性格で迅には遠慮がないが、千秋の前では少しおとなしい。出生の秘密については、知らされないまま両親が他界。迅だけがその秘密を知っているが、本編では本人に明かされることはなかった。

　この後順次公開の、Ifルート（何）でいろいろ明らかになったりして関係がややこしくなります……。

◆ 鴨川（かもがわ） 千秋（ちあき）

　身長１８６cm、三十二歳。

　無精髭に少しぼさっと伸びた髪、きつめの印象のシルバーフレームの眼鏡。一見するとインテリヤクザ風（凪視点）。週三でジム通いをしているので意外と脱いだらすごいんです（トレーニング中はコンタクト使用）。

　二年前にミステリ作品で作家デビュー。以降、順調にキャリアを積み上げているが、作品はミステリからホラー、歴史小説とわりと節操がない。

　女癖が悪いというほどではないが、後くされなく遊んでいることで界隈では割と有名だった。今年の七月くらいから急に大人しくなったので、何かあったなと噂されていた。

　担当編集の野宮（ののみや）とは、作家になる前に付き合っていた過去がある。担当になったのは偶然で、以降はビジネスライクな距離を保っている（たまに飲みには行く）。

　両親は共に教師で幼少期は忙しい二人に代わって歳の離れた弟妹の面倒を見ていた。二人とも結婚済み、早期退職した両親と共に、地方へ移り住んでいる。

◆ 鳴神（なるかみ） 迅（じん）

　身長１９５cm、百二十歳（推定）。

　職業は死神、アレコレ手をつけてそのまま、全自動嫌味製造機、詰めが甘いという三拍子揃った屑男として『死神の共謀者』で初登場。当初は嫌味で屑な人だけど、凪には甘い、くらいの感じだったが、銀縁眼鏡企画に寄せて書いた『いつかまた奈落の底で会う君のために』で過去編を描いてから、もうちょっと複雑なキャラクターに。

　今作では、凪の素性を知って彼を大切に思い、どうやって彼を救うかにずっと心を砕いていく。凪も本人は自覚が薄いけれど、かなり迅には心を寄せている。

　千秋のそばにいることで、凪が平穏に過ごせるならそれでも良いと思っていたが、なお凪に危難が降りかかるのを見て、介入することを決意した。

　その後、Ifルートでは思わぬ展開になるのですが、あくまでIfのような、共謀者としては本ルートのようなそんな微妙な感じであります。

　なお、死神の声には力が宿っていて、正確に名を呼ぶことで相手に干渉することができる。そのため、よほどのことがなければ、正しく名前を呼ぶことはない。

　凪は共謀者として契約済みなので、死神の声に影響を受けることは基本的にはないが、万が一にも影響を与えないように、普段からアクセントを変えて呼ぶようにしている。正確に呼ぶのは、本音が漏れてしまっているとき。

◆ 野宮（ののみや） 遥（はるか）

　身長１６４cm、二十八歳。

　千秋の担当編集。番外編で登場する。デビュー以来ずっと彼と組んでいる。しばらく千秋と付き合っていたが、担当になる数ヶ月前に別れていた。別の男性と一年前に結婚。幸せな家庭を築いている。

　凪と出会ってからの千秋の作風が変わってきたことに気づいていて、彼女でもできたのかと推測していたが、とりあえず原稿が捗ってくれればそれでいいと特に深く追及はしていなかった。

　千秋のSNS（Instagr○m）も担当。神代植物公園の秋薔薇の情報を流した上で、千秋がその相手とやってくるのを半ば狙っていた。

　本人の同意を得て、とあるシーンの写真を（凪の顔は見えない程度）でSNSで公開。よりファンが増えて売り上げが上がったとかなんとか。

　千秋に気がある素振りを見せるのは、凪をからかうときだけ。