第8話 超能力を制御するのは難しい ③

「見て下さい!ベースはオレのこの世で1番尊敬する刑事の父です!」



『「「おおっ!!!」」』


急に始まった割には、じっくり時間をかけてようやく完成した啓二の“式神“作成プロジェクト。途中から全員参戦して作ってみたけど、それでも研・みかん・お獅子がやったのは補助程度。


あくまで大元を作ったのは彼である。

制作中は夢中だったものの、全体図を俯瞰して見てなかった彼ら。興奮は冷めやらぬものの、ようやく多少冷静になって、“作品“を見ることが出来た。


両拳を天に突き上げて、嬉しさを全身で現している啓二と横にいる式神を対面する形で見る一同。




「まずは頭と顔!当然父です。父の頭部を持ってきてます!」


『「「いいじゃん。いいじゃん」」』



顔。その人物がどんな人間かを他者に伝えるための重要な情報源。

顔は男の履歴書だ。と言わんばかりの、少し厳ついながらもその顔から垣間見える、厳しさと優しさ。酸いも甘いも噛み分けて。それでもなお己の正義を貫かんとする意思が見える。


啓二が尊敬すると公言するのも納得の“顔“だった。






「そして腕!父のパワーをフルに発揮させるにはこのぐらいじゃなきゃあ!この腕に捕まえられたらどんな犯罪者も逃げられないっ。ゴリラの腕です!」



『「「おおっ!!おお・・・?」」』



ゴリラ!どこから見てもゴリラの腕。黒い!太い!人間には絶対到達出来ない腕力と握力の持ち主。ゴリラ!本物はゴリラの握力は400kgを超えるとゆう。

黒いふさふさした毛の下にあるのは丸太のようなみっちみちの筋繊維。力こそパワーだ!!





「そして胴体!カッコ良い父にはカッコ良いぼでぃがなくちゃ。しなやかな胴体

から繰り出される多分しなやかになる動き。百獣の王ライオンの胴体!」



『「「んん・・・・・・・?」」』



ライオン!猫ような・・・て言うか猫科だから当然だけど、とにかくしなやか。骨や筋肉が水のように潤滑に連動して、しなしな動く。気配を消して獲物にそっと近づき、反応出来ない動きで獲物を仕留める。その姿はまさにライオン!




「そして最後に脚!本物の父の剛脚をさらに尖らせました。この脚で一度追われたらどんな犯人も捉えられない方が難しい。馬の脚!」



『「「・・・・・・・・・・・・」」』



最近、競馬がまた人気みたいなので“とうかいていおー“と言う馬の脚をネットで調べて参考にしました!興奮しながら啓二は解説。


確かにその馬の脚は理想的な筋肉の付き方。まさに走るためだけに創造された骨格と筋肉。生物学的に走るためだけに指を失くし、爪を一つに結合し、“ひづめ“という形になって進化を遂げた脚と足。これで走れなかったら、神に唾を吐いても許される!



ただし、啓二の馬の想いが強すぎたのか、ただの趣味か。馬の部分のパーツが。

・・・何と言うか馬の頭と首の部分を切り離して、そのまま式神の胴体に合体させた、いわゆるケンタウロス状態になっていた。






「もう一度言います。たっぷりと!父の頭部・ゴリラの腕・ライオンの胴体・馬の脚(ケンタウロス状態)が合体した。オレの新しい“力“の形!オレの式神の姿で

す!!」








『「「バケモンじゃねえかっ!!!!!」」』










今、この時、この瞬間。

日本のとある地方のとある田舎の片隅にある北島町の神社で。






新たなキメラが誕生した。






◆◇◆



3日後。




「父にオレの式神見せたら、“このキメラが外で暴れられると、父さん社会的に死ぬから。もっとこう・・・何とかして“って涙目になりながら頼まれました」




『「「うわぁ・・・」」』




キメラ・・・もとい式神を制作したあの日。

もう遅いし、暗し、何よりみんな色んな意味で疲れてて、もう頭が回んない。

なので 経過観察 と言う素敵な言葉を駆使して一旦お開きにした。



その後、啓二は父に今まで、自分がずっと秘密にして悩んでいた“力“のことを話し、ついでに“式神“を披露したようだ。結果は聞いての通り。納得しかない。



その報告のために啓二は再び研達に声を掛けて北島町に来ていた。

そして、3日前と同じ面子が、同じ場所に集まって駄弁り出す。




「そ。その話はちょっと置いといて!」


「はい」


「啓二君さあ。朝、起きたら部屋がポルターガイスト状態になってるって言ってたよね!アレどうなったの?解決した?」


「あー。アレは・・・昨日と今日、朝起きたら式神がオレのシャツとか服を畳んでましたね」


「・・・もう、部屋の物が散らばって無いなら良いんじゃね?」


『もう結果オーライにしとけ』



みかんが一旦話を逸らしかったので、気になってたし一応話の冒頭の出来事の結末を聞いてみる。もう、掘り下げても面倒になる気配しかしなかったので、みんなもう流そうという雰囲気。うん。流そう。



「ところで、実はオレ。式神に名前を付けたんですよ」


『名前とな?』


「ホラ。“式神“って何と言うか、エネルギー体の“概念“っていうか、“現象“にラベルを貼ったような物じゃ無いですか」


「確かに。例えはアレだけど、ポケモンを全てポケモンっ呼ばないしな」


「良いんじゃない?でも名前付けるんなら、その対象を象徴したり、もじった感じの方が良いよねー。全然関係無いのでも有りっちゃ有りだけど」


「その辺はちゃんと押さえてますよ。安心して下さい!みかんさん!」


「あ。オレ、ちょっともうオチが見えて来た」


『我も』



「それじゃー。発表しまーす! 式神顕現!!」


自信ありげに啓二は自分の左斜め前に、登場して何故か光り輝いて登場する式神を呼び出す。両手をそっちへ伸ばし、ジャジャーンと効果音を口ずさんで元気に発表だ。




「名前は“お父さん2号“です!!」



『「「止めろ!!!!!」」』



その後、周りの説得の甲斐あって、式神の名称は“2号“に決まった。




◆◇◆


しかし、いつまでも現実逃避はしていられない。

本人(だけ)が良くても、周りに受け入れられないなら、受け入れられるように改善するしかあるめいよ。とみんなと知恵を絞る。



「ハイハイ!研先生」


「みかんさん。どーぞ」



しばらく経つとみかんが挙手。

流石、普段から工芸品に携わっているだけあって、こういう事を考える時は意見が早い。


「まず、見た目をシンプルにしてみたらどーかな?何つーか啓二君の式神は見た目がリアルなのに、色んな生き物がちゃんぽんでくっついてるから、違和感が半端無いんだよね」


「確かに。近くに立つとリアルすぎて、取って喰われる感を感じるわ」


『我も無意識に身構えるしな』


「でも、悪い人が見てビビるなら、有りじゃないスか?」


「うん。悪く無い人も無条件でビビるから問題があるんだよなぁ」



そこで!


と。みんなに再び注目を促すために右手人差し指をふりふり動かし。みかんは話を続ける。


「ホラ。クマとかトラとか。本来人間からしたら、言うまでもない危険生物じゃん?でも、デフォルメしたぬいぐるみとか可愛いよねー。“2号“もアニメや漫画チックにして不要な情報量を削ってこーよ」



本来はクマとかトラが街に出ようもんなら、即、警察や猟友会が出動案件である。でも、巷の女の子もそんな事は分かっているけど、お店でクマやトラやゴリラのぬいぐるみと見ると“かーわいいー“と言って、頬擦りをして愛で始める。


そう。それは生々しい情報を削って、人間に愛されるような形にして女の子の前にお出ししているからなのだ!



「やってみます!」


「まーとりあえず、やってみっかあ」 『うむ』



特に異論は無いし、ずっと駄弁っていても話は進まない。

とにかくまずは色々やってみようと同意する一同。啓二も式神を初出現させた時のような集中力で、2号の前で両手を広げての力を集中させて2号の体を再整形。










・・・・・・・・・・。











「出来た!」



『「「お父さんの顔だけ、そのまんまだから、さらに異形感半端ねえ!!!」」』



リメイクした2号の姿。それは頭から下だけならば、まるでゲームやアニメに登場してもあまり違和感の無いぐらいの姿だった。膨らむところは膨らんで。凹むところは極端なぐらいに凹んでいる。それでもそれが良いバランスを取っていて、むしろコレしか無いという造形だった。




頭から下だけなら。





「何でお父さんの顔だけ、そのまんまなんだよ!ちょっと手ぇ加えろよ!」



「そんなことするなんて、とんでもない!!お父さんの顔を変えたらお父さんじゃ無くなるじゃないですか!!」



「コレお前のお父さんじゃないから!お前のお父さんはお前の実家に夜、帰って来るから!!」



「お父さんはオレに取って、強さの象徴!正義の象徴!それを変えるなんてとんでもない!!(2回目)」



流石にコレは無いだろ!と研は突っ込むけれど、啓二にとってはそれこそ、それを譲るなんてとんでもない!!と大反発。意地があるんだ!男の子には!!




『折れねぇな。コイツ』


「男の子ってみんなこうなん?」




お父さんの顔について色々話していく内に啓二のお父さん自慢が始まりそうになったので、一回、顔を事は諦めて。別の方面からアプローチをしようということになった。




◆◇◆



『では、どうしてもお父さんが譲れないなら、他を譲るしかなかろう』


「と言うと?」


『異形感半端ないのはバランスが崩壊しとるからだ。どうしてもお父さんを軸にしたいのなら、頭から下の部分をお父さんに寄せるのが道理。つまり、人間の体に近づけろや』



「なるほど!」



「しっかし、頭しかないお獅子が胴体のこと語るってシュールだなぁ・・・」



割と最初からいたのに、初めてアイデアを出した気のするお獅子。

妥当で建設的な意見だったので、早速みんなお獅子の案に取り掛かる。











・・・・・・・・・・・・・。











「んじゃまぁ。とりあえず腕から取り掛かろう」


「そだねぇ。うーん。まずこのフッサフサの黒い毛を何とかしない?本物のお父さんがどれだけ剛毛か知らないけど、ここまでフサフサな腕毛の人は人類にいないでしょ」


「押忍!」


『皆の中で啓二の父が剛毛の人になってしまっているな』



ゴリラの腕をそのまんま胴体にくっつけた感じの両腕。

ちなみにゴリラの腕のモデルはマウンテンゴリラだ。そして、ちょっと調べてみたけど、ゴリラってほぼ血液型がB型らしい。今はどうでも良いけどね。




(整形)






・・・・・・・・・・・・・・・。






(整形後)







「おお!両腕の黒いフサフサが無くなって、白くなった!」



「けど・・・・んん!?代わりにお父さんの髭がめっちゃ長くなってるーー!!?」



『お前のお父さんが三国志の関羽将軍みたいになってんぞ!』



「あ、あれー?腕の毛を消しただけなのに何で!?」



2号の人間離れした。というか、マウンテンゴリラの両腕だが。とにかく啓二は式神を整形し直し、黒い腕毛は無事無くなった。

が。そしたら次は、ところてんのように2号の口の周りから“にゅっ“と髭が一気に吹き出す。



『どうやら、啓二の“力“のイメージが最初ので固定されてしまって、どこかを変化させるとどこかに皺寄せが行くみたいだな』




「「「な。何だってーーーー!!?」」」







「な。何て面白・・・ゲフン!何て大変なコトになっちまったんだ!」


「オイ。今、面白いって言おうとしたろ?」


「でもコレはコレで、お父さんカッコいいかも・・・」



『「「目を覚ませ!!!」」』





そしてここから、本当の意味で彼らの終わりの見えない闘いが始まった。






◆◇◆


「腕は一旦放置。脚を改善しよう!」


「ケンタウロスみたいになってるから、まず四本脚を二本脚にしてみようよ」


『そう言えば、ケンタウロスって人間の胴体と馬の胴体くっついてるワケだが、上と下の胴体の内臓ってどうなっておるのだろう?』


「言われてみれば気になりますねぇ。コレだとお父さんもとい2号の臓器が・・・」



「そこは触れんな!」



最初にケンタウロスを創造した人もそこら辺は気にならなかったのだろうか?とみんな頭の隅で思いつつ、答えの出ない問題よりもまずは目の前の問題だと再び整形に取り掛かる。




(整形)




・・・・・・



(整形後)


とりあえず二本脚になるよう修正。

その結果、脚の長さが2倍以上に伸びた!



「気持ち悪!」


「少女漫画でもここまで長くないよっ!」


「ああっ。オレのお父さんがめっちゃ重心の悪いプラモデルみたいになってる!!」



顔だけの啓二のお父さんである2号は真顔のまま、2倍以上に伸びた脚でバランスが超悪くなり、左右にフラッフラしている。



「重心を安定させようよ!」


「つまりドムみたいにドムっとさせると」


「了解!脚だけお相撲さん体型します!」


『止めろ!オチがもう見える」




・・・お相撲さん体型にした結果、今度は脚が重すぎて動けなくなった。




◆◇◆


それからみんなほとんど意地になって頑張った。

本当に本当にすごく頑張った。





・・・・・・・・・・・・・。



「ギャーーッ!!2号の股間からヘビが生えて来ている!比喩じゃなくて!!」


「ヘビなんていたっけ!?」


「スイマセン!こういう合体モノってヘビを入れるのがお約束かな?って思って最初の段階で仕込んでました」


『仕込むな!んなモン!!』




・・・・・・・・・・・・・。








「脚の馬の蹄のパーツを引っ込めたら、2号の頭の上から左右に黒い猫耳見たいのが生えてきたよ!」



「厳ついオッサンに猫耳って誰得だよ!」








・・・・・・・・・・・・・・。







「関羽将軍ばりの髭を引っ込めたら、今度は胸毛と背毛が凄いことにっ!」








・・・・・・・・・・・・・・。









「額からヘビが生えてきた!」








・・・・・・・・・・・・・・・。







「そもそも2号のお父さんの顔がずっと真顔なの、怖ーんだよ!!」



「じゃあ。不動明王みたいに悪人に睨みを効かす感じにしてみます!」



「不気味で怖かったのが、フツーに異形でドス濃いな怖い人に睨まれてるだけになったんだけど!怖さのベクトルが変わっただけなんだけど!!」



『女神が転生するゲームに普通に出てきそうだな・・・』









・・・・・・・・・・・・・・。




◆◇◆



そして何十回もリテイクを繰り返し、皆よくわからない汗を流し、辺りが暗くなってきた辺りで、ようやく完成した!



啓二の式神「2号」が!



再び新しい姿をようやく手に入れたのだ!




それは一言で言い表すなら、ちょっとガタイの良いおじさんが頭の天辺から足の先まで黒いタイツを被り、そして黒い大きなリュックを背負っているような姿だった。両眼だけは露出していて、ギラギラ光り、じっとこちらを見つめてる。



途中から忘れていたが、当の本物のお父さんから“身バレ“は止めろ的なコトを言われていたので啓二の反対を二人と一頭が押し切り、頭部と顔の形を変えずに隠す形になった。



そして人間離れしたパーツは全てリュック状に変形させて、背負わせた結果こんな姿になったというワケだ。



邪魔ならまとめて一箇所に固めてしまえば良いじゃない!の精神だった。









・・・・・・・・・・・・・・・・。






『「「(も。コレで良いや)」」』




二人と一頭は納得した!

心では無く魂で納得した!


コレで良いんだ!

イヤ。コレが良いんだ!



と納得することにした。



人間生きていく上で色んな能力が必要になるだろう。

才覚とか要領とかは確かに大事だけど、時間は有限だ!



物事に折り合いを付けて生きて行くのは、それ以上に大事な時もあるんだ!




あるんだ(強調)!!









まあ。あくまで基本フォームがコレってだけで、啓二が意識すれば、ゴリラモード・ケンタウロスモード・不動明王モード・体のアチコチにヘビを生やすモードに変えれるんだけど。



ちなみにライオンのパーツは有効な活かし方を誰も思い付けなかったので、ライオンモードは保留になった。







「ありがとうございます!研さん!みかんさん!お獅子さん!」




色々あったけど、ロボットしかり、仮面のライダーしかり。色んなモードに変形させるというのは男の子なら大抵大好き。それは啓二も同様。最初に想定していた姿とは違うものの、それを補って余りある(啓二にとっては)ドキドキのギミック満載。自分だけの“力“を手に入れることが出来て、すっかりご満悦だ。




「このお礼は!近いウチに必ずしますから!!」




啓二は感謝の意を込めて、研とみかんには両手で音が鳴りそうなぐらいにガッシリ握手。お獅子には暑苦しいハグをした後、意気揚々とすっかり暗くなって星が輝く下の公道。式神を仕舞って、振り返りながら右手をぶんぶん振りながら帰って行くのだった。



「お、おう」


「ほどほどにねー」


『まぁ。達者でな」




その後ろ姿を見つつ、残された彼らは想う。



「ねぇ。研ちゃん。あたしら、とんでもないモンスターを生んだんじゃ・・・」


「オイオイ。勘違いすんな。みかん。あいつは元々モンスターを身体に飼ってたんだよ。オレたちゃそのモンスターの器を作るのにちょっと手を貸しただけだ」


『物は良いようだな』




うっきうきの去って行く啓二の背中を見つつ、ちょっと黄昏たそがれた気分になる一同だった。











◆◇◆


その後。






後日、研たちはニュースで啓二がで式神「2号」を使ってひったくり犯を捕まえた事を知る。なんでも啓二の地元でフルフェイスのヘルメットを被り、スクーターに乗った20代の男が道ゆくおばあちゃんの鞄をひったくって逃げた所に偶然、啓二が出くわしたと。


すぐさま、「2号」を呼び出し、ケンタウロスモードになった所を背中に乗って追いかけ、追いつき。ゴリラモードになってスクーターを力づくで止め。スクーターを降りた男がナイフを持って襲い掛かって来た所を不動明王モードでビビらした瞬間、自分の拳でケリを付けたかったらしく、右ストレートで思いっきり犯人の顔をぶん殴ったらしい。


結果、フルフェイスのヘルメットが割れて、犯人の顔に拳がめり込んだが、同時に啓二の右拳の骨も割れたらしい。







なんというかあいつは少年漫画の世界の住人過ぎると研たちは思ったものだ。









そんな事を思いつつ。またしばらく日が経ち。

再び、すっかりお約束の場所になった北島町の神社。研は目の前にいる新たな仕事の依頼人に目を向ける。




依頼人は女子高生。可愛いというより、綺麗という印象が強い、ポニーテールの女の子。セーラー服の上に巫女服の上の部分だけ、前を開けてコートのように羽織っている。スカートが紺色なので、ミニスカの巫女服に見えないことも無い。


とても目立つ格好だが、親が神社の神主だそうで宣伝のためにワザとそんな目立つ格好をしているらしい。



それは置いとき。


どんな依頼者も大抵そうだが、不安と恐怖で押し潰さそうな表情だ。少女も救いを求めてなのか。それとも、ただ誰かに聞いて欲しいだけなのか。

それでも!という表情で俯いていた顔を上げ、研に向かって言葉を紡いだ。




「あの・・・。私の同い年の幼馴染の男の子が近所にいるんですが。その子最近、よく全身黒づくめで大きい黒いリュックを背負っているおじさんとよく並んで歩いているんです。私、これからこの男の子とどう接していけば良いのか・・・」





少女の悩みを聞いて、研は大いに困ったとゆう。











終わり!








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死神研修生と土野みかんのはなし。 @sankaku-tousu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ