第2話 二人の帰り道


 駅の改札は階段を上った二階の位置にあり、そこから来る電車を眺めて待つことにした。


 今いる場所は、改札からは見えない場所になっているため、すれ違う可能性も考えたがあいつがすぐに連絡することは予想出来てたので、ここまで急いできて暑くなった体の熱を冷ます。確かに肌寒いのかも知れないが、逆に今のおれにとっては心地よかった。


 すこししてから着信音が鳴る。


「もしもし、着いたのか?」


「着いたよ~。あのさ、家に行く途中にコンビニに寄るから欲しいものある?」


そういえば、課題に集中して夜何も食べてなかったな。と、それより


「買ってくれるのはありがたいな。今改札出た感じ?」


「そうだけど?」


この通話をしながら、改札の前に向かう。多くの人が出てくるため、見つけるのは簡単ではないがタイミングがよかったのかすぐに見つかった。そして、近づきながら言う。


「右みてみろよ。」


「右?え、え⁉」


「荷物多いかなと思いましてね。」


予想通りに、荷物は部活の遠征に行くかのような多さであった。これは持って歩くのは大変だろう。


瑞希みずきってたまに優しいよね~。」


「たまにが余計だ。」


これを言ってしまうところが残念な点である。


「ほら、重いだろ?はよ、渡しなさい。」


「結構見た目より軽いから、大丈夫だよ。」


遠慮しているが、どうみても重そうである。

ここは少し強引に奪うしかないか。


「やっぱり、しっかりと重いんだが?」


「持ってもらうの、申し訳ないじゃん。泊めてもらうのに。」


泊めてもらうからと変に遠慮していたようだ。俺らに遠慮というものはほぼないが、こんな時に遠慮するとは珍しい。


「変なとこで遠慮するなよ。こうなった以上とことん頼れ。」


「うん、ありがと!頼りにしとるぞ瑞希。」


最初の電話をしたときより、声のトーンが明るくなった気がする。安心してくれているならそれでいい。


「香織が来たおかげで、課題のいい息抜きになったからよかった。」


「そっか。邪魔になってないならよかったよ。」


これは、本当のことだ。外にでて駅まで歩いて思考は、リセットされいい具合にさえていた。


そのあとも少し会話をしながら、コンビニを目指す。


「どこのコンビニによる?」


駅前のコンビニによってもよかったのだが、どうせ家の近くにもあるし、荷物になるからということでやめたのであった。


「う~ん。無難にセブンとか?」


「まぁ、そうなるよな。」


「他に寄りたいとこあるなら言ってね。」


「りょーかい。」


そういえば、こいつ何日間居るんだろう。というか他に友達いるだろうになぜ俺を頼った?今更に疑問に思い始める。まぁ、前にも泊めたことがあったからなのかも知れないけど。


「そういえば、俺の前に誰か電話したのか?」


「してないよ。」


「他にも友達とかに先に聞くだろ?同性なんだし。」


「それもあるけど、友達少ないし瑞希ならオーケー出してくれるかなって思ったから。」


「そっか。というか、友達少ないんだな。」

友達が多いイメージであったから、ちょっと驚いた。



都合よく使われているのか、頼られているのか分からんな。ま、お互い様かな。この前は、俺が財布なくした時に終電逃してまで助けに来てくれたからな。あれはマジで助かった。



 コンビニにつき、お互いに夜飯を買い雑談をしながらアパートに着いた。




本当にここからが俺たちにとって大変なことになるとは思っていなかった。




ランキングにのって、少し驚いています。ちょっと急ぎめに書いたので変なとこがあると思います。そこは、気づき次第に直します。

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幼なじみの女子大生と4日間の同居生活 早蕨琢斗 @sawarabi-takuto

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